「彼は自分のアパートに行こうと誘いましたが、遊び女と思われるのが嫌で『夜、母親に電話をする約束なの』と断りました」 　すると、「売上に伸び悩んでいるんだろ。僕が協力するから。明日、電話する」と、タクシーでアパートまで送ってくれた。翌日、勤務先で店長に接客のミスを叱られて、落ち込んでいたところに宅間さんから電話が。 「その夜、渋谷のこじゃれたダイニングバーで慰めてくれて、売上アップの秘訣を教えてもらいました。この人なら信頼できると、そのまま彼のマンションへ。1泊しました」 　その後、週に1.2回は宅間のマンションに泊まるようになった山口さん。半年後に妊娠した。 「生理が来ないとLINEしたら、返信がなく。どうやらブロックされたみたいです。しかも彼のマンションに行くと、引越していました。困って店長に話したら『自己責任』と一蹴。周りからも『尻軽女』と陰口を叩かれ、辛くて仕事を辞めました」 　山口さんは故郷に帰って、子供を産んだ。そしてシングルマザーとして、子供と両親と共に暮らし地元で仕事をしている。東京の洗礼を浴びた彼女だったが、地元に帰った現在は、気持ちに余裕が生まれたそう。彼女が幸せを掴めることを願う。＜取材・文/夏目かをる＞コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛＆婚活＆結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆～恋、のような気分で♪」