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トランプ再選を脅かす「ゲイ公言の若手」と「元検事の女性候補」

20人超が民主党候補として出馬表明!

 ’20年の米大統領選まで1年半、早くも選挙戦が本格化している。6月18日にはトランプ大統領が再選出馬することを正式表明。「KEEP AMERICA GREAT!」のスローガンを掲げ、2万人の共和党支持者らの前で改めて“米国第一主義”を訴えた。が、目下注目を浴びているのは政権奪取を目指す民主党の候補者たち。過去最多の20人超が大統領候補を選ぶ予備選への出馬を表明しているのだ。 トランプ 米ニュージャージー州在住のジャーナリスト、冷泉彰彦氏が話す。 「アメリカの大統領選は2段式。来年1~7月にかけて全米50州で行われる予備選で党の大統領候補が選出され、11月の大統領選に進む。その本選では有権者は各州の選挙人を選んで投票します。選挙人は共和党と民主党のどちらの候補を支持しているか事前に表明しているので、有権者は選挙人を介して間接的に大統領を選ぶわけです。  このとき、州内で最多得票となった政党がその州のすべての選挙人を獲得し、全米で過半数(270人)以上の選挙人を獲得した候補者が大統領となる。だから、カルフォルニア州(55人)やテキサス州(38人)、フロリダ州(29人)などの大票田の獲得が非常に重要になるのですが、前回’16年にトランプ氏が獲得したテキサス、フロリダで支持率が低下していると報じられています。  現時点で最大の敵になると予想されているバイデン前副大統領が、世論調査でトランプ氏を10ポイント以上リード。’16年にヒラリー氏と接戦を演じたサンダース氏もトランプ氏を上回っているんです」 2020年米大統領選 早くも民主党優勢が伝わっているようだが、冷泉氏は「トランプ再選が濃厚」と予想する。 「バイデン氏は76歳で、サンダース氏は77歳。トランプ氏は70歳で歴代最高齢での大統領就任を果たしましたが、それを上回る高齢なので健康不安キャンペーンを仕掛けられるのは必至です。一方で、そのほかの民主党候補はパッとしない。
ジョー・バイデン

ジョー・バイデン氏

 サンダース氏と同じ左派系のカーマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン、コリー・ブッカーの3氏が比較的高い人気を獲得していますが、彼女たちは独自の政策を持っていません。それどころか、昨年の中間選挙で史上最年少の女性下院議員になったオカシオ・コルテス氏(29)の『グリーン・ニューディール』を支持している。
カーマラ・ハリス

カーマラ・ハリス氏

 電力を100%再生可能エネルギーで賄うことやベーシック・インカムの導入を盛り込んだ少々荒唐無稽な政策集ですが、彼女がミレニアル世代から絶大な人気を獲得しているから乗っかったんです。これでは中道派や無党派の票は取れない。民主党で古くから言われている『左派でないと予備選に勝てないが、左派では本選に勝てない』となる可能性が高いでしょう」

トランプ氏の集会には39時間前から並ぶ支持者

 直近3回の大統領選で民主党陣営に参加しながら実地調査を行ってきた海野素央・明治大学政治経済学部教授も、現状はトランプ優位と話す。 「’16年大統領選の教訓の一つに支持率と結果の不一致があります。民主党支持者だけどヒラリー氏は嫌だから投票に行かないという有権者が現れ、必ず投票に行く熱狂的な支持者に支えられたトランプ氏が勝利を収めた。熱意ある支持者をどれだけ獲得できるかがカギを握っているのです。  その点、今でもトランプ支持者の熱量はすごい。6月18日の集会に参加したところ、開場17時間前から250人が並び、先頭の人は39時間前から並び始めたと話していました(笑)。  一方、5月のバイデン氏の集会は、開場5時間前でも4人しか並んでいませんでした。おまけに、参加者は年配の方ばかり。’16年のヒラリー陣営の雰囲気とそっくりでした」  ただし、そこは何度も大波乱を巻き起こしてきた大統領選。情勢はいくらでも変化するという。
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