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実家に戻る“子供部屋おじさん”の深刻事情。リストラ・離婚で親元に戻る例も

離婚をきっかけに実家に戻り「子供部屋おばさん」化

畑「都会に嫁いだ姉(50代)が、離婚をして実家に帰ってきたんです。子供もおらず、余生は両親の面倒を見て過ごす、なんて言っていたのに、都会暮らしが長かった姉に田舎の暮らしは合わず……。子供部屋にずっとこもって、ネットで映画を見ているそうで、すっかり“子供部屋おばさん”。なんとかして、と親から泣きつかれています」  こう話すのは、彼女の弟で、実家近くに妻と子供二人と暮らす安藤勇さん(仮名・50代)。高齢の両親はともに80代後半で足腰も弱かったが「こどおば」化した娘の将来を悲観し、引退したはずの田んぼ仕事に勤しんでは、こつこつと貯金をしているという。ところが、さらなる困難がーー。 「姉はまだ60前なのに、実は、認知症の兆候が出始めています。両親が『ボケていられない』と奮起してくれて、以前よりも生き生きし始めたのは不幸中の幸いというか……。しかし、親も間もなく介護が必要になるでしょう。その時は、私がやるしかない」(安藤さん) 「こどおじ」「こどおば」といえば、ネット上での笑い話程度にしか語られることがなかったが、事態は深刻。今年はこうした現実が一気に噴出し、更なる議論を呼びそうだ。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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