更新日:2023年05月24日 14:18
エンタメ

ドラマ『恋はつづくよどこまでも』がおじさん世代にもウケている理由は?

 1月クールドラマで最も話題を集めている作品といえば、『恋はつづくよどこまでも』(TBS系、火曜午後10時~)であろう。平均視聴率がグングンと上昇し、3月3日放送の第8話では12.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークしたほか、リアルタイムで見ることができない人向けの“見逃し配信”も絶好調で、第7話がTBS史上最高の視聴回数を記録。
恋はつづくよどこまでも 公式サイト(TBS)

画像:恋はつづくよどこまでも 公式サイト(TBS)

 これは、社会現象にもなった大ヒットドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)最終回の見逃し配信の視聴回数を上回る数字で、大きな盛り上がりを見せていることを証明している。

おじさん世代にも好評?

 ちなみに、同作は少女マンガ原作による胸キュンラブコメディ。運命を感じた医師・天堂(佐藤健)を追いかけて、看護師になった主人公・佐倉七瀬(上白石萌音)が、5年後に職場で憧れの天堂と再会。しかし天堂は、周囲から“魔王”と恐れられている超ドSなキャラでこっぴどく罵られてしまう。それでも恋心が収まらない七瀬が仕事に恋愛に奮闘していく……といった内容だ。  ここまで聞くとむずがゆくなってくる人もいるだろうが、なんとこのドラマが、おじさんたちをも夢中にさせているというのだ!  先月末、TBSの定例会見で佐々木卓社長自らが『恋はつづくよどこまでも』の話を取り上げ、「おじさんが見ても大変面白い。キュンというよりも、ジーンとしながら凝視しています」と感想を述べたほか、『日刊SPA!』編集部内でも40代前後の中年男性社員に好評。視聴率でも40代~50代男性の数字が他の年齢層と変わらないというデータ(スイッチ・メディア・ラボ調べ)も明らかになっている。  しかし、どう考えても若い女性をターゲットにしているはずの同作が、なぜおじさん世代にまでウケているのか……? その理由と作品の魅力について、業界人たちの声を集めてみた。

昭和のアイドルを彷彿とさせる上白石萌音にゾッコン

 まずは、キー局で深夜ドラマなどを手掛けている50代男性プロデューサーのA氏に、おじさん世代にウケている要因を聞いた。 「他局のドラマですが、私も娘と一緒になって見ています(笑)。僕らの世代にもウケている一番の要因ですが、ヒロインの上白石萌音の野暮ったさにあると思います。野暮ったいというと聞こえが悪いのですが、太い眉毛とあどけないタヌキ顔は、昭和の歌謡曲アイドルや大林宣彦の“尾道三部作”のヒロインを彷彿とさせるんですよ。昨今の若手女優は顔が整いすぎていて感情移入がしにくい(笑)。一途で頑張り屋の役どころを考えると上白石萌音は適役だし、朝ドラを見ているような感覚になれるんです」 「それから彼女を取り巻くライバルや叱咤激励してくれる他のナースたちも絶妙な女優をそろえていますよね。香里奈や片瀬那奈、蓮佛美沙子に売り出し中の演技派美女・瀧内公美といった美形でモデル体型の女優がズラリと並ぶ。そのおかげで上白石萌音のピュアさがより際立つ。脇役にこそ力を入れるキャスティングは、近年のTBSドラマのうまさだなと思っています」
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もどかしい展開がトレンディードラマを思わせる
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テレビドラマとお笑い、野球をこよなく愛するアラサーライター。

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