コロナ騒動を乗り切ろうとするがあまり、ほとんど犯罪スレスレ、ブラックすぎる命令を社員に下す会社も出始めた。首都圏で貴金属の訪問買い取りを行う会社に勤めているYさん（20代・仮名）の証言。 「もともとかなりブラックな会社だったんですが……。コロナの影響で学校が休校になると、子供たちが家にいるからか家庭用ゲーム機の値段が高騰したでしょう？ うちの社長は『ゲーム機を買い取れ』とか『並んででも買い占めろ』と社員にゲキを飛ばしているんですよ」（Yさん） 　子供たちはもちろん、外出自粛要請を受けて大人たちも自宅待機せざるを得なくなった。ゲーム機の需要が高まったことにより、特にNintendo Switchは中古価格が新品の定価を超えてしまった。本来は2万9980円（税別）だが、オークションサイトなどでは5万円前後の値がつけられている状態だ。 　ネット上では、マスクや消毒剤だけでなく、ゲーム機の“転売屋”も忌み嫌われているが、その転売を社長自ら社員に課したことに「ここまでブラックだとは思わなかった」（Yさん）と驚愕するしかなかったと話す。 「社員の中には、電気店に並んだ人もいます。それをオークションサイトで売って現金化するんですよ。さらに酷いのは訪問買い取り。親が出勤して休校中の子供しかいない家庭を訪問し、事情のわかっていない子供に1万円とか2万円をチラつかせてゲーム機を“押し買い”してる奴もいて……。さすがにソッコーでクレームが来たらしく、社員が土下座して親御さんに謝ったとか」（同） 　早く彼らが本来の業務に戻れる日がくることを願う。＜取材・文／森原ドンタコス＞