仕事

テレワークで浮き彫りとなったムダな仕事、ムダな経費

ついていけない社員も…会社の必要性を改めて感じた

家族 都内の大手テレビ局員・藤村優子さん(仮名・40代)は、多忙すぎる日常からリモートワークに移行し「面食らった」と話すが、家族と過ごす時間が大幅に増えたと喜んでいる。 「小学生の子どもと会うのは早朝と深夜だけ。最初は家族と過ごす時間が多すぎて戸惑いましたが、リビングでパソコンを開き、かたや勉強、かたや仕事、親子の会話を楽しみながら過ごしています。仕事ばかりに追われ、家族は仕事の足かせになるとすら考えていたので、こういう方法もあるのだと目からウロコが落ちた思いです」(藤村さん、以下同)  その一方で、やはり会社は必要と再認識したともいう。 「会うからこそ生まれる感情が仕事につながること、その重要さを改めて考えましたね。出社は週に一度ほどですが、事前に準備をした上で同僚に会う時の高揚感はオフ会に似たものがあり、連帯感を感じる。会社でのコミュニケーションは、以前より濃密になったし、濃密でなければならないと思います」  そんな藤村さんの懸念は、こうした新しいスタイルに全くついていけないというスタッフが、少なからず存在している事実。 「主体的に動くことができるスタッフは、それこそどこにいても、柔軟にバランスよく仕事ができます。リモート出勤をしていても、退社寸前に『あいつ今日仕事してたの?』と言われるような存在感のないスタッフは、逆に出社したがっている。使う側と使われる側の立ち位置が、よりハッキリしたとも言えます」  リモートワークなどあり得ない、日本社会にはそぐわない……わずか2か月前、多くの日本人がそう思っていたに違いない。だが、必要に迫られてやってみると、それなりに仕事がまわせるものだ。そう感じている人が少なくないはずだが、コロナ後の世界“アフターコロナ”では働き方や生き方がこのまま大幅に変わっていくのか、それとも……。<取材・文/森原ドンタコス>
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