仕事

上司のパワハラが悪化、ポストコロナの「新しい生活」に絶望する人たち

以前より苦痛になったと感じる人も…

絶望 自粛期間を経ての新しい生活が、「以前より苦痛になった」という人も。 「大学卒業後、正社員で某アパレル企業に入社しましたが、多忙からうつ病を発症。その後いくらか克服し、通販会社に契約社員として採用されました。コロナの影響で、私は2月頃からリモートワークに入り、丸4か月を過ごしましたが、その間、鬱の症状がほとんど出ませんでした」  こう話すのは、都内のネット通販会社に勤務する安田さくらさん(仮名・30代)。詳しい原因は本人もわからないというが、多忙と人間関係に疲れたことから、心身に支障をきたすようになったという。  現在の仕事は、商品の在庫管理で、倉庫や納入企業と電話をし、社内担当者と販売量の調整を行う業務である。 「この4か月の間に、ほぼ全てのことがチャットやメールで済むようになり、会話が減りました。要件をチャット、メールで伝えるだけでよく、ストレスから解放された感じで、仕事自体が楽しく感じられるようにまでなりました。効率的に仕事ができ、業務量も増えて社内評価も上がった。直属の上司からは正社員化も打診されています」(安田さん、以下同)  自粛期間中は良いことづくめだったが、6月に入り出社すると、あんなに楽しかった仕事が、やはり苦痛なものに戻ってしまった。 「チャットやメールでできていたことが、全て電話や直接の会話に戻ってしまい、以前より緊張してしまうように……。鬱の症状も出始め、出社するとずっとトイレにこもったりぼーっとしていることが、コロナ前より増えました。正社員に誘ってくれた上司からもやる気がないのか、と叱責されて。新しい生活は、以前よりも苦しい」  以前と変わらない日常のありがたさを噛み締めている人もいれば、以前と変わらない日常がまた繰り返されることに絶望している人もいる。  コロナを乗り越えた後の「ポストコロナ」時代をどう生き抜くか、そんなフェーズに移ったのだ。<取材・文/森原ドンタコス>
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