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お風呂やトイレを覗きにくる…猫に“あるある”なナゾ行動。専門家に直撃

 ここ数年、「猫駅長」や「猫カフェ」などブームとなっている。犬に比べて散歩やしつけの負担が少ないため、単身者向けのペットとしても人気だ。猫を飼っていると、「なんでそんな行動をとるの?」と不思議に思うことがたくさんある。そんな猫の「謎行動」について、専門家に解説してもらった。

お風呂やトイレについてくるのはなぜ?

猫

※画像はフォトACより。以下同

「猫の不思議な行動のほとんどが、まだ理由がわかっていないものばかりです。なので有力な説や推測に基づく回答になりますが……」  そう前置きしつつ答えてくれたのは、獣医師のにゃんとすさん(Twitter:@nyantostos)。元臨床獣医で、今は研究所にて研究員として勤務しながら、ネット上で猫について情報発信をしている。  猫飼いあるあるのひとつ、「水嫌いなのにお風呂を覗きにくる」。  猫は本来、水を苦手とする生き物。筆者も実家で猫を飼っているが、毛が汚れているから洗ってあげようとすると猛スピードで逃げていく。しかし、家族が入浴していると様子を覗きにやってくるのだ。それはなぜなのだろうか。 「猫はテリトリーや縄張りを大切にする、縄張り意識が強い動物なんです。現代の飼い猫ちゃんにとってのテリトリーや縄張りは、自分が過ごしているお家の中。お風呂もテリトリーの一部なので、自分のテリトリーの中にある、ちょっとよく分からない場所って認識なんだと思います。猫には自分のテリトリーを見渡したい、ちゃんとチェックしておきたいって欲求があります。なのでお風呂を覗きにくるのも、異常がないかチェックしておきたいんでしょうね」  飼い主のトイレに付いていく猫も多いが、これもテリトリーを意識した行動だ。筆者が飼っている猫も、トイレの間ドアの前でずっと待っている。 「人間の想像ですが、飼い主が他の猫と接触していないかとか、ご飯を独り占めしていないかとか考えているかもしれませんね(笑)。お風呂やトイレなど、猫自身が普段行かない場所に飼い主が行くと、気になっちゃうのかもしれません」  犬が愛情表現として飼い主の後を追ってくるのとは違い、テリトリーチェックを兼ねた行動。てっきり猫の愛情表現と思っていたが、人間の片思いだったようだ……。

気持ちよさそうにしていたのに……いきなりガブリ!

猫 飼い主に撫でられて気持ちよさそうにしていたのに、突然噛みついてきた!  そんな猫あるあるも、実は理由があるんだとか。 「これは『愛撫誘発性攻撃行動』といって、どの猫でも見られる一般的な行動です。簡単に言うと、撫ですぎなんですね(笑)。撫でられすぎると猫も嫌になっちゃって、噛みついてくるんです」  専門用語まで付いているこの行動。噛まれないようにするためには、猫が嫌がり始めたサインを見逃さないことが大事だという。 「一般的には、尻尾をパタパタ叩きつけたり、耳を後ろに倒したりすると嫌がっているサインだと言われています。耳を後ろにするのは『イカ耳』と呼ばれていますね。尻尾は振る速度にもよるんですが……ゆっくり振っている時は、ごきげんな証拠。パタパタと早く振っている時は嫌がっています」  噛みつかれないためには、撫でる場所も重要だ。猫が嫌がる場所を撫でると、ガブッとされてしまう。にゃんとすさんによると、猫が嫌がるのはお腹と手先。逆に猫が撫でられて嬉しいのは、顔周りだそう。 「猫は頬やあご、額などからフェロモンを出します。壁などに顔をこすりつけ、匂いでコミュニケーションを取る生き物です。なので、フェロモンが出る場所を触られると、猫も気持ちよく感じます。猫を撫でる時は顔周りを触るようにして、長時間撫ですぎない。適度なところでやめるのを意識していれば、噛まれることもなくなると思います」  実家の猫を触りすぎて嫌われている筆者、にゃんとすさんの解説を聞いて大反省。  お腹を嫌がるのは体の中でいちばん柔らかく、内臓が詰まっているからだ。しかし、手先を嫌う理由は解明されていない。  にゃんとすさん自身、獣医として患畜を処置するときは必要以上に手先を触らないよう心掛けている。爪など、狩りに使う大事な部分でもあるため触られたくないのかもしれない。
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トイレの後に大興奮……なんで?
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