医療従事者たちの「地獄の夏休み」。激務薄給、我慢の限界……
本来であれば「いよいよ夏休みだ」などと言って浮かれ気分に浸れたこの時期だが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大、そしてその第二波が押し寄せている影響を受けて、気分が晴れない。本当は友人と海外旅行に行く予定だった、家族と沖縄に遊びに行くはずだった、などという知人たちも「仕方がないから近場に一泊」「日帰りで遊園地にでも」とぼやいている。
「夏休みなんてありません。それどころか、2月から7月までほぼ休みがなかったんです。私の場合、週の4日を勤務にして、その間は病院の近くのホテルに宿泊するので、自宅にも帰れない。小学生の2人の子どもは、自宅に夫の両親にきてもらい、面倒を見てもらっています。政治家は認めませんが、すでに第二波は来ている。病院としても全員体制で望むしかなく、感染予防のためには自宅に帰ることを控えようと考えています。子どもには酷ですが……」(澤田さん、以下同)
澤田さん宅、実は夫も別の総合病院に勤務する放射線技師で、夫婦どちらも医療従事者だ。マスコミで「医療従事者やその家族が差別される」などと報じられると、小学生の子どもたちも、学校に行きたがらなくなったという。
「私が看護師であることを、子どもの友達も知っていますから、不安げに『ママは大丈夫?』と聞かれたことはありますが、学校では差別やいじめなどはありませんでした。ただ、私たちの仕事をとても気にしているのはわかる。せめて、少しでも長く一緒に過ごしてあげたいのに、旅行はおろか、週末に自宅で一緒に過ごすこともできなくなるかもしれない。祖父母にも負担をかけっぱなしで、本当に申し訳ない」
いや、その程度ならマシな方かもしれない。都内の総合病院勤務の看護師・澤田真理子さん(45歳・仮名)が、「地獄の夏休み」が始まったとうったえる。
医療従事者たちの「地獄の夏休み」
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