『人数の町』で映画初出演の立花恵理 「人にいいエネルギーを与えられる人になりたい」
簡単な労働と引き換えに衣食住が保証され、「町」の社交場であるプールで繋がった者同士はセックスの快楽を貪ることも出来る奇妙な町が舞台の映画『人数の町』が公開中だ。オリジナルの世界観で描くディストピア・ミステリーで、主演は超売れっ子の中村倫也が務めた。
その注目作に、女優・モデルとして活躍目覚ましい立花恵理が出演した。中村演じる主人公の蒼山に「町」のルールを教える謎の美女役で、映画初出演とは思えない存在感で観る者と作品世界をつないでみせる。たくさんの学びがあったという本作について本人に聞いた。
●映画初出演だったそうですが、緊張しましたか?
立花:緊張しました。しかも地方に出向いて、そこに滞在して撮影したのですが、誰かがついていてくれるわけでもなく、初めてお会いした人たちの中に飛び込んでの撮影でしたので、最初は緊張して大変でした。でも、地方に滞在するという体制で、毎日みんなで作っていくので、だんだんみなさんとの距離も近くなっていって、コミュニケーションが取れて、いいこともありました。初めての映画で地方にひとりで行って、いい経験になりました。
●モデルの仕事とは、勝手が違うことも多いですよね。
立花:仕事のスタートはモデルだったので、このときはまだ演技の経験がほとんどなくて。映像の現場の雰囲気にまだ慣れていないということもあったので、独特の雰囲気に溶け込まなくてはいけない不安などもあったのですが、『人数の町』のチームは温かくて、すごく楽しかったです。
今までのドラマなどの映像の現場でも幸運なことにいい人たちに恵まれましたが、今回もみんながサポートしあって、みんなで作っていった感じがよかったです。激しい上下関係みたいなものは感じなくて、みんなでコミュニケーションが取りやすかったのかなって思うし、本当に素敵な現場でした。
●主演の中村倫也さんの印象はいかがでしたか?
立花:わたしのことは「誰?」って感じだったと思うのですが(笑)、話しかけてくれて、色々とアドバイスもくださいました。全体的に中村さんも含め、居心地はとてもよかったです。わたしが映画は初めてということもあって、みなさんすごくサポートしてくれたんです。わたしが緊張しないようにみなさん気を使ってくださいました。
●演じられた末永緑という女性については、どう理解しましたか?
立花:彼女は物語のキーで、すごく複雑なキャラクターでもあるので、最初に監督と相談する時間を作っていただいたり、撮影現場でもいろいろなパターンを話し合いながらやらせていただきました。監督に言われたことは、感情をむき出しにするというよりかは、冷たい感じ。強いけれども中身がないようなスンとしている感じ、そういう雰囲気を醸し出してほしいみたいな話をしました。
●この町はフィクションですが、いつでも生まれそうな怖い話ですよね。
立花:この映画はフィクションなのですが、それこそあるかもしれない、ないかもしれないと思うような映画ですよね。映画のように人数の町が別世界として存在していなくても、この世の中で人数の町にいる人みたいになり得ると思うので、ある意味で存在するのかなと思いました。自分で意思を持って考えて行動することがすごく重要じゃないかと思って、この映画を観る方々は、この世界がそれほど遠くは感じないのではと思いました。
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