恋愛・結婚

家に帰りたくない40代サラリーマン。妻と娘2人に逆らえず、パチンコ店通いの毎日

円満家庭の秘訣は…

 T田さんの場合、彼がフラリーマンであることで家庭の均衡が保たれているような節がある。フリーライターの亀山早苗氏は、外出を制限された中での円満家庭の秘訣には、家の広さが関係していると語る。 「フラリーマンに資金力があれば、引っ越しをしたり別宅を持ったりするなどできる。しかし実際は困難で結局、狭い空間に複数人で過ごす状態が人を苛立たせるんです。Q2のように、別に夫がフラリーマンだからといって、夫婦仲が悪いわけではなく、夫がフラリーマンであることが、プラスに働いているケースは多いですよ」
亀山早苗

亀山早苗氏

 「フラリーマン」の言葉の生みの親である社会心理学者の渋谷昌三氏も家庭内のソーシャルディスタンスを上手に使うべきと提言する。 「大事なのは家族同士の距離感。もしもフラリーマンをやめたいと考えている人がいたら、一緒に食事はするが、その後は自分のしたいことができるような関係を築く努力をすべき。改善意識を持つだけでも変化は生まれるはずです」  T田さんは、上の娘が進学を機に家を出て一人暮らしを始めた場合は、フラリーマンを脱却する可能性を口にしていた。家庭内での息苦しさが物理的に軽減するとき、彼はフラリーマンを卒業していくかもしれない。  しかし、まだまだ卒業の予定が立たないフラリーマンにとって、ウィズコロナ時代は厳しい。営業時間の短縮や長時間滞在の制限など、時間のつぶし方の選択肢は限られてしまっている。

漂流する会社員アンケート調査

※2020年9月1~2日、35~55歳の既婚者会社員男性3048人を対象に調査 Q.家に帰りたくないと思いますか? YES 16.4% NO 83.6% 以下、YESと答えた方500人に聞きました Q1.家に帰りたくない理由は何ですか?( 複数回答可) ・自分の時間が欲しい 66.8% ・妻と話したくない 33.8% ・家では仕事ができない 14.0% ・家事・育児をしたくない 10.8% ・妻・子供以外の同居家族とうまくいっていない 7.2% ・その他1.0% Q2.夫婦関係は良好ですか? ・どちらかといえば良好 45% ・どちらかといえば険悪 34% ・とても険悪 13% ・とても良好 8% Q3.奥さんから「帰ってくるな」と言われたこと、におわされたことはありますか? ・言われたことがある 25% ・におわされたことがある 25% ・ない 50% 「この結果から読み取れるのは、フラリーマンにとって本当に欲しいのは居場所ではなく自分の時間。それは妻側も同じことではあるので、関係が険悪になってしまう理由はそこにあるのではないかと思います」(亀山氏) 【社会心理学者・渋谷昌三氏】 目白大学名誉教授。”フラリーマン”という言葉を世に生み出した、『フラリーマンの心理を読む 帰る夫のつくりかた』の著者 【フリーライター・亀山早苗氏】 結婚、離婚、婚外恋愛、性の問題に取り組みながら、さまざまな立場の男女に20年以上取材を続け、的確な分析を行っている <取材・文/週刊SPA!編集部> ※週刊SPA!9月15日発売号の特集「漂流する会社員の肖像」より
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週刊SPA!9/22・29合併号(9/15発売)

表紙の人/ 日向坂46

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