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「早く帰ってくるな」妻の在宅勤務で居場所がない40代夫、車にこもる毎日

 ’18年、働き方改革が進んだ陰で、家に居場所がなく会社をよりどころにしていたサラリーマンの「フラリーマン」化も加速。そして’20年、コロナ禍の影響で「在宅」が求められるようになった今、フラリーマンたちはどうしているのか。「家に帰りたくない」500人への調査でわかった漂流会社員の新たな実態に迫る! 漂流する会社員の肖像

ウィズコロナで生きづらさが増すフラリーマンたちの現実

 フラリーマン、それは定時に帰宅できたとしても「家に居場所がない」などの理由で、街をフラフラと彷徨い歩くサラリーマンの総称だ。ここ数年の働き方改革で残業時間が規制され、会社にいられなくなったサラリーマンが家路につかずに街を漂流。ネットカフェなどで時間をつぶす姿が急増し、話題になっていた。SPA!が3048人に実施したアンケートでも実に16.4%の男性が「家に帰りたくない」と回答している。(※詳細は文末参照)  しかし、今年初頭からの新型コロナの影響によりその行動に大きな変化が見られている。「フラリーマン」の言葉の生みの親である社会心理学者の渋谷昌三氏はこう語る。 「密を避ける、ソーシャルディスタンスを守らなくてはいけないなどの状況を踏まえるとフラリーマンはすっかり居場所がなくなってしまった。物理的ではなく、精神的な部分で自分の世界の殻に閉じこもるような『カタツムリーマン』化と変貌を遂げつつあります」  働き方評論家の常見陽平氏も「従来の意味でのフラリーマンは減っている」という。 「飲み屋などの逃げ場が別の場所になり、新たなフラリーマンが形成されつつあります。在宅勤務が増えたことで自室のある人であれば、個室にこもる権利が与えられたのが理由の一つです」

妻の在宅勤務で家に居場所ナシ。車にこもる毎日

 フラリーマン歴5年のS木さん(43歳・製造業/結婚7年目で妻と7歳・5歳の子供あり)も、コロナ禍を機に“逃げ場所”が変化した一人。人生の相棒ともいえる愛車のシートに寄りかかりながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。 「そもそものきっかけは、妻の口うるささでした。子供ができてからは、子供へのイライラをそのまま自分にぶつけられ、特に酷くなりましたね。帰宅時間がちょうど子供たちのお風呂タイムと被るため、『早く帰ってくるな』とまで言われるようになりました」
漂流する会社員の肖像

フラリーマン歴5年のS木さん(43歳・製造業) 子供はかわいく、コロナ禍前は家族で外出したりもしたが、在宅勤務により妻との仲は悪化の一途

 妻からの通達を受け、S木さんは同僚と飲むなどして22時くらいまで時間をつぶすようになった。早めに帰れるときは会社の付近に留まるか、マンションの駐車場に置いた車の中で待機しているという。  アンケート調査でも「Q2.家に帰りたくないとき、どう時間をつぶしますか?」(※詳細は文末)を見ると、S木さんのように逃げ場所として多くの人が会社の近くや車を選んでいる。 「私はコロナ禍でも出勤していますが、共働きである妻は在宅勤務。子供の世話との両立で煮詰まるのか、ストレスが増大して態度がさらにキツくなりました。あれほど帰ってくるなと言っていたのに、最近は『なんでもっと早く帰ってこないの』と詰問される始末です。家事は同じくらいしてるはずなんですけどね……」
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気づいていない妻は意外と多い
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