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橋下徹は何目的で政治的発言をしているのか? 何がしたい? どこに行く?

タレントとしては東国原英夫より下だが……

 私は何も「小金発言」の一件で、橋下徹の揚げ足を取りたいわけではない。橋下徹の存在はテレビタレントというスケールではないはずだ。現在、政界でキャスティング・ボートとなり得る存在は、橋下徹と小池百合子くらいだろう。しかし、自分の言葉で明確なメッセージを発信できるのは橋下徹だけだ。その自負は本人が1番持っているのではないだろうか。  また逆に、テレビタレントとしてならば橋下徹は、東国原英夫の足元にも及ばないだろう。才能と経験と何より覚悟が全く違う。  菅内閣が組閣される時、世間では大臣候補として橋下徹の名前が上がった。今回の一件では、彼の発言が多いに自民党を後押しした。政界へ返り咲きを狙っているという噂もある。しかしそれについては、橋下徹は明確に否定した。  ならば結局、橋下徹は「小金」欲しさに政治的発言をしているのだろうか。仮にそうだとしたら、彼が過去に誇示した政治家としての強烈な自負と、自身の現状とのギャップに虚しさを感じないのだろうか? 政治のキャスティング・ボートを握りえる、自らのカリスマを持て余さないのだろうか? 橋本徹は何がしたい? どこに行く? 予想外にそんな思いにたどり着いた、今回の学術会議の問題であった。
1968年生まれ。構成作家。『電気グルーヴのオールナイトニッポン』をはじめ『ピエール瀧のしょんないTV』などを担当。週刊SPA!にて読者投稿コーナー『バカはサイレンで泣く』、KAMINOGEにて『自己投影観戦記~できれば強くなりたかった~』を連載中。ツイッター @mo_shiina
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