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劇映画『孤独のグルメ』の撮影秘話「ロケをしたお店は3軒すべて実在、俳優じゃなくご本人に出演をお願いしていた」

『孤独のグルメ』の原作者・久住昌之氏とドラマ・劇映画で主演を務める松重豊氏のスペシャル対談。劇中で訪れた名店をふたりが語り尽くす!
孤独のグルメ

久住昌之、松重豊

人生後半を楽しむお店の探し方「ふたりのグルメ」

──劇映画が1月10日に公開、そして『孤独のグルメ 巡礼ガイド完全版』も発刊されるということで、この本にはドラマのシーズン1から10まで登場したお店を抜粋して掲載しています。掲載されるお店の思い出などをお聞かせいただければと思います。 松重豊(以下、松重):全部覚えてますよ。(掲載店のリストを見ながら)お店の様子が思い出されますね。 久住昌之(以下、久住):いきなり「つり堀 武蔵野園」(永福)っていうのは意表を突いたチョイスですね。 松重:ここでは親子丼と焼きうどんなどを食べましたね。食後に「とんだ炭水化物祭りを開いてしまった」とつぶやきますが、ここから「炭水化物祭り」が、よくネットなどで使われている気がします。このころ、僕は40代だったから食べられたけど、61歳の今、この組み合わせを食べろって言われたら……。 久住:ボクも当時「親子丼のあとに焼きうどんは食べすぎだろ」ってスタッフに言いました(笑)。ボクは50代前半でしたが。まだ、ドラマも試行錯誤中でしたね。 松重:初期の『孤独のグルメ』といえば、「つるや」(川崎)ですよね。一人焼き肉の回で。うまかったなぁ。
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「つるや」(川崎)の焼き肉。一人焼き肉を満喫した五郎から「うおォン! 俺はまるで人間火力発電所だ」の名言が飛び出した名店

久住:「キャベツ山(ざん)」の(笑)。焼き肉でいうと「宝来軒」(群馬県藤岡市)も面白かったですね。客がいないカウンターに一人用のコンロがズラリと並んでる絵は、シュールで面白い。肉だけじゃなくてお新香もおいしい。店名が中華屋みたいなのもいいんですよね。焼き肉となるとスタッフも「これは!」という店を選んできます。年末スペシャルでも焼き肉は入ってきますしね。

巡礼者に貴重なアドバイス、クーラーボックスは必須?

松重:あとは「焼肉ふじ」(静岡県伊東市)も。ここオモテにお肉屋さんがあるんですよ。 久住:肉屋から見ると、裏にちょっと入りにくい焼き肉店がある(笑)。店主が一緒で。 松重:僕、撮影終わりに、このお肉屋さんで肉を買って帰りましたもん。東京からだと遠いから、クーラーボックスを持っていかないと肉が傷むんですよ。だから、巡礼するときはクーラーボックスを持参したほうがいいです。 久住:まさに巡礼へのガイドとして大事な情報ですね(笑)。肉というと「第一亭」(横浜)もパンチがあったなぁ。チート(豚胃袋)とニンニクを使ったパタン。すっかり全国区で有名になりました。
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「第一亭」(横浜)のパタン(右下)とチートのしょうが炒め(右上)。「食えば食うほど元気になる」と五郎を言わしめた強烈なニンニクスタミナメニュー

松重:パタンはおいしかったけど、ニンニクが3日くらい残りました。僕はドラマロケの翌日、大河ドラマ『八重の桜』で死ぬシーンの撮影があったんですよ。ニンニク臭いのに、綾瀬はるかちゃんとかが僕に顔を近づけて泣くわけです。ニンニクのニオイを嗅がせたら、演技が止まっちゃうなと思って息止めてました。なので、パタンを食べるときは翌日からの予定を確認したほうがいい(笑)。
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ふたりが偶然出会う店
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清談社 ライター/編集 編集担当作→稲田豊史さん『こわされた夫婦』、生駒明さん『フーゾクの現代史』、諸富祥彦さん、島田友和さん、青木美帆さん『1on1コミュニケーション入門』、しみけんさん『モテる男39の法則』。X(旧Twitter):@numazawa_n

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