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テレワークと育児の両立がムリゲーすぎる。「絶望」する夫婦たち

家事をするようになった夫

育児 同じようにパートナーが「変化」したことで、日々不安が増していると話すのは、神奈川県在住の主婦・森本香子さん(仮名・30代)。  仕事一筋、まるで家庭のことを顧みない夫に不満を持っていたが、夫の会社でもほとんどの社員が在宅勤務に。夫は日中も自宅にいることが落ち着かない様子だったが、部屋の掃除をしたり、洗濯をしたり。SNSで料理研究家の投稿を見つけては、料理まで始める始末。 「私のやることがなくなっちゃった、と冗談を言えるくらい、夫は変わってくれて。喜んでいたんです、その時は」(森本さん、以下同)

常にイライラしていて口うるさくなった

 間も無く、夫の完全リモートワーク体制は解除され、平日の2日間のみ在宅勤務ということになった。だが、夫が再び「変化」したのも同じ頃だった。 「帰宅して部屋が汚れていたりお風呂の掃除ができていないと、なんでこんな簡単なことができないんだとものすごい剣幕で怒る。ご飯を作っていても、ちゃんとレシピ通りに作ったか、調味料の量を間違えていないかと、口うるさくなったんです。  私だって一生懸命やっていると反論すると、もうお前は家事をしなくていい、と捨て台詞まで吐かれました」  夫は今も常にイライラしていて、二人が家庭内にいる時はほとんど口も聞かず、家庭内別居状態なのだとか。森本さんは「これなら元のままが良かった」とうなだれる。  もちろん、良い方向に変化が起きて、それが今も続いているという人も多くいるだろう。その一方で、今回紹介した二人のように、コロナ以前の生活がいかに快適だったかを思い知る、なんてこともあるのだ。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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