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節約志向の人たちの“実はドケチな生態”。キャッシュレス決済で発覚

デートで手数料をめぐってトラブル

お金 東京都内のイベント会社勤務・倉田祐子さん(仮名・20代)は、彼氏とのデートで嫌な思いをしたという。 「彼氏との数度目のデート。東京・西麻布のレストランで食事をして、そのまま新宿のホテルに宿泊。彼氏が『今日は俺が払うから』と言ってくれて、お姫様気分を楽しんでいたんですが……」(倉田さん、以下同)  付き合いたての若いカップルにありがちな「男が経済力をアピールする」パターンとも言えるが、ホテルのベッドに横たわり、くつろいでいた時だった。  彼氏が突然起き上がると、自身の財布から中身を取り出し、何やらスマホで計算している模様。次の瞬間、「あーっ!」という素っ頓狂な声をあげたかと思うと、倉田さんに向かって衝撃の「ケチ」を炸裂させたという。 「レストランの領収書を計算し直すと、カードで支払ったことに対する手数料が数%加算されていたようでした。そうなんだ、と思っていると『手数料分だけは払って』と真顔で言ってきた」  せっかくの良いムードも台無し。驚いた倉田さんは、言われた通り財布から小銭を取り出して彼氏に渡した。すると、彼氏はレストランに電話。そもそも、店側がカード決済に対して「手数料」を請求することは、カード会社が定めた規約に違反している場合もあるとかで、彼氏はレストランの担当者を劣化の如く問い詰めていた。 「後日、手数料の数百円が戻ってきたと嬉しそうに話していました。ご飯もホテルも奢ってくれましたが、私への返金はなし。そんなに手数料分がほしかったんですかね。理解できず、冷めてしまって2か月で破綻しました」

交通系ICカードを利用した差額の数円を横領

 キャッシュレス決済が広がる現状の隙間をついたケチが、その身を滅ぼすような事態にも――。 「営業などで電車やバス移動する際の料金は、今やぜんぶ電子マネー。いちいち切符を買う手間も省けて楽だし、通常運賃より数円安くなるのも地味に嬉しい」  東京都内の会社に勤める金田晋一さん(仮名・30代)は、その月末もいつものように交通費などの経費精算を行っていたのだが、音もなく近寄ってきたのは経理担当の男性上司。  金田さんが精算する様子をじっと見ていたが、交通費の部分を見てこっそり耳打ちしてきたのだという。 「電子マネーで168円しかかかっていない地下鉄の運賃について『切符を買った時にかかる正規運賃の170円にして計算してくれないか』と言われました。耳を疑いましたが、細かい金額の計算が面倒だという上司に『たった2円だから』と言われ、そのまま従いました」(金田さん、以下同)  翌月、金田さんが先払いしていた経費が戻ってきたが、明細を見ると、戻ってきた地下鉄代は168円。上司に従い、170円の返金が受けられるはずだったが……。 「じつは差額の2円を、立場を悪用した上司が着服していたことが発覚したんです。ほかの社員も、上司に言われて同様の精算をしていたそうで、社内でも問題になりました。上司は横領の疑いで即経理部から外されましたが、社内調査の結果、横領の総額は2000円ほど。きっと、金額以上に書類などをちょろまかすのに手間がかかったはず。ケチなうえにみっともないし、たった2000円で立場も失ったんです」  金田さんは「異常なほどのケチは身を滅ぼすと実感しました」と苦笑いする。  小さな金額に固執しすぎることでまわりが見えなくなって信頼を失う。その結果、自分の首を絞めてしまうこともあるのだ。節約志向を通り越して「ケチ」の烙印を押される前に、我が身を振り返っておきたい。<取材・文/森原ドンタコス>
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