恋愛・結婚

家族ぐるみの花見で妻と大喧嘩、なぜか料理を生鮮食品のトレーに入れて

妻の理解不可能な行動

「どれも今まで作ったことがなく、ネットなどで見つけて評判だったレシピを作ってみたようでした。数千円ほど実費が掛かっており、スーパーの総菜の方がいいのではないかと言ったら、怒られました。さらにお気に入りのパン屋のバケットを持っていくとかで、わざわざ前日に買いに行っていました」  吉田さんは「妻の頭の中には、嫁同士の見えないマウンティングがあったのかもしれません」と語るが、男性にとってはパートナーの暴走を止めなければならないほど面倒なことはない。 「なぜか味付きゆで卵をいくつも作っていました。本人が好きだから作ったらしいのですが、見た目もあまり美味しそうではないんです。鶏ハムも、味見をしてみると薄味で、何か足りない。でも本人にとっては、“それっぽく”できたので、満足そうでした。容器を持っていくのが面倒らしくて、鶏ハムを生鮮食品のトレーに入れたんです。これには驚いて“不衛生だから”と言って、注意しました」

手料理を持って行き、一生“ネタ”にされるのは困る

花見 この時、吉田さんに脳裏には、過去の花見が思い浮かんだという。 「みんなタッパーや、弁当箱にいくつもおかずを詰めて持ってきていたんです。こんなみすぼらしい感じではなかった……。僕が、わざと彼女の料理を置いていこうとしたんです。するとすごい剣幕で“なんで持っていかないの”と喧嘩に。僕も悩んだのですが、このまま妻のまずい料理を持って行き、ずっと職場でネタにされるのも嫌だったので、きつめに“持っていかない”と抵抗しました」  結局、手ぶらで花見にいったという吉田さん夫婦。花見には、他の家族の料理自慢の妻たちが作ったメニューが並んでいた。 「持っていかなくても十分な量の唐揚げや、フライドポテトやおにぎりとかありました。こういうものを作ってほしかったんですが、普段料理をしていないせいなのか、手が込んでいるものを作りたがったんですよね」  喧嘩にはなったが、優佳さんの料理を持っていかない判断は間違っていなかったという。 「でも、ずっと妻は根に持っているんです。今でも花見の季節になると“料理を全部無駄にした”と言って怒る。家に帰ってから、僕が食べたんですけどね」  職場は、一日の大半を過ごす重要な場所のため、周りに悪い部分を見せないようにと気を使ってしまう。  家族を巻き込んだイベントは、今後も“自粛”のままでいいと思う人も意外と多いのかもしれない。<取材・文/池守りぜね>
出版社やWeb媒体の編集者を経て、フリーライターに。趣味はプロレス観戦。ライブハウスに通い続けて四半世紀以上。家族で音楽フェスに行くのが幸せ。X(旧Twitter):@rizeneration
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