恋愛・結婚

マッチングアプリに潜む罠。会いに行ってみたら怪しい勧誘だった

実在する女性だと信じ込んでいた

マッチングアプリ 野田さんのケースは、実害がなかったことから笑い話で済まされるが、被害を実際に被ってしまったという関東在住の薬剤師・友田正二さん(仮名・30代)は、絶望的な日々を過ごしている。 「マッチングアプリを使った詐欺は当然知っていましたが、毎日違う表情の写真も送ってくれるし、実在する女性だと信じてしまった」(友田さん、以下同)  婚活として、複数のマッチングアプリを使っているという友田さん。先述のような怪しい「投資話」などが一方的に送り付けられることもよくあり、そういった類の誘いは無視していたが、とある女性・B子の書き込みに目を留めた。 「詐欺系のアカウントって、どこからか拾ってきた美しい女性の写真を使いまわすんです。だから実在しない偽アカウントだと見抜けます。しかし、B子のアカウントは毎日違う写真をあげているし、場所も服装も違う。それで、騙しではないと思いました」  しかし、やはり何度かやりとりをしても「会おう」という話にはならず、B子が持ちかけてきたのは聞いたこともない仮想通貨への投資話だった。 「普通ならここでストップなんでしょうけど、実在する女性だし、もしかしたら嘘ではないかも、そして可能なら会いたい、と思いましてね。先方が指定した口座にお金を入れれば運用をしてあげるという誘いにまんまと乗ってしまいました」  B子から送られてくる写真は、最初は一般的なポートレートのようなものだったが、投資話が進行し始めると、B子は次第に薄着の写真を送ってくるようになった。そんなB子の美貌に目を奪われる形で、言われた通り、お金を振り込んだというのだ。ところが……。

「女性になりすます」パターン

「男性が女性になれる写真アプリが話題になっているというニュースを見たんですが、もしやと思いB子の写真を確認したところ、確かに写真によっては輪郭や髪型がぼやけていて不自然。思い切って、本当は男性で、なりすましじゃないよね? と聞いたところ、即ブロックされ、騙されていたことが確定しました」  SNS上で女性になりすまし、甘言を持って男性を勧誘する、というパターンは今までもあったが、男性写真を女性写真に違和感なく変換できるアプリなどを使って、これまで以上に周到に「女性になりすます」パターンなのだと友田さんは説明する。 「騙されたことは恥ずかしいですが、しかし最近の技術はすごい。これでは全く騙しだとわからない。下心がある男性ならば、自分は大丈夫だと思っていても騙されますよ」  結局、どんなに防衛策を立てていようが、最終的には自分の下心に勝てるかどうか、ということか。 <取材・文/森原ドンタコス>
1
2
おすすめ記事