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酒類提供が再開しても喜べない飲食店、“近隣の店の目”が怖い

“近隣の店の目”が怖い

 幸島さんも高齢の両親や妻、子どもたちと生活しているため、できるだけ感染対策を行って営業を続けている。  しかし、じつは近隣の飲食店のほとんどがまん延防止等重点措置を無視した営業スタイルを取っているため、自分の店だけが神奈川県の方針を守っていると「お前の店はコロナが怖いのか」と思われしまい、からかわれることもあるという。  幸島さんは「注意などできる雰囲気にない」と声を潜める。怖くてもやるしかない、と半ば諦めているのだとか。

タクシーで窓を開けると「ばい菌扱いか!」

   酔客が増えれば、コロナ禍で閑古鳥に泣かされていたタクシー会社も潤うはずだが、当の運転手からは悲痛な声も聞こえてくる。東京都内のタクシー運転手・原田瑞恵さん(仮名・50代)が訴える。 「お客さんが拾えるからと繁華街に行くと、酔ったお客さんしかいません。タクシーに乗り込んできて、マスク無しで会話されるし、車内でお酒も飲まれる。念のため窓を開けると“ばい菌扱いか!”と怒鳴られたこともあります。お客さんが戻ったことは嬉しいですが、それ以上に感染への恐怖が大きくなりました」(原田さん)  確かに、緊急事態宣言は解除されたものの、まん延防止等重点措置は続いており、感染力の強い変異株の懸念もある。ここにきて酒類の提供自粛や、緊急事態宣言に言及する閣僚も出始めているが、さらに疲弊している人たちもいるのだ。 <取材・文/森原ドンタコス>
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