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消えたオリンピック競技のその後。「綱引き」は本気で復活を目指していた

シンクロソロの魅力

シンクロナイズドスイミング

今ではアーティスティックスイミングと呼ばれる、シンクロナイズドスイミング。かつてはソロもあったのだが……

 なぜ急にソロが追加されたんですか? 「噂なんですが。当時、ASではダントツだったアメリカが出場選手の人数を増やさずに獲得メダルを増やしたいという思惑があったという話があります(笑)後から追加されたので、競技日程も最終日になってましたね」  ソロの魅力はどんな部分でしょうか。その魅力を教えてください。 「個人の表現力と技術力がはっきり見えますね。足技や上体の表現でも、複数人で泳ぐものはみんなで動きを揃えるために音楽のカウントでキッチリ合わせていきますが、ソロは他の人と合わせる必要がないので、曲のダイナミクスや緩急に合わせて表現ができるんです。 柔らかさや粘りのある動作で、豊かな表現と技術が見られるのはソロですね」  日本人でソロでの活躍が期待される選手はいますか? 「代表ではデュエットとチームに主眼を置いているので、ソリストとして育てている選手はいません。ですが、東京五輪にも出場した乾友紀子は、2019年の世界選手権のソロで銅メダルを取っています。次の若い世代でいうと、高校生の和田彩未といういい選手がいますね」

ソロ復活の予定はない……

 ソロが五輪に復活する予定はありますか? 「FINA(国際水泳連盟)内でマジョリティの意見としては、ソロ復活はないですね。男女混合のミックスデュエットと、ハイライトルーティンを加えて欲しいというムーブメントを起こしています」  ミックスは多様性が求められる時代に合っていますね。ハイライトルーティンは聞きなれない種目ですが。 「1チームの演技時間が他のAS種目に比べて短く、よりアクロバティックな内容になっています。派手なので、見る方にとっても見応えのあるものになると思います」
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五輪復活を狙う綱引き
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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