仕事

パナソニック“優秀な人材まで早期退職”事件を、笑える人はごく少数なはずだ

従業員数25万人超の大企業ゆえ…

 今から起業するのであれば、コアとなる正社員は数名、多くても20名程度に抑え、あとは適宜プロフェッショナルを業務委託で雇ったり、ルーティンワークはアウトソーシング会社に任せることで、少ない人件費でビジネスを回していくことは可能です。  ただ、パナソニックのようにグローバル連結総従業員数が25万9385人(2020年3月末現在)という大企業の場合、一気にそのようなことはできません。  とはいえ、そのような大量の正社員を抱えることはもうできない、もしくはすべきではないという意思決定が上層部においてなされ、今回の組織再編に至ったのだと想定できます。

「優秀な人がやめる」は想定内?

早期退職 ぼくは、パナソニックの経営陣は「優秀な人もやめるだろう」というのは、事前に予測していたと思います。どのような内容の組織再編かはわかりませんが、早期退職である程度退職金を積み増せば、「いいチャンスだ」と思って外資系やスタートアップに行く20代後半から40代前半の人がどんどん出てくることは誰でもわかることです。  パナソニックの経営陣は、「それでも、今のままズルズルと固定費を抱えるよりも、優秀な人が流出するほうがまだマシだ」と考えたのではないかと思います。  日本では、労働者は法律によって守られているため、正社員として雇うと解雇するのが非常に難しい仕組みになっています。ましてや、パナソニックのような誰もが知る大企業で福利厚生や待遇がいい会社を積極的にやめようとする人はほとんどいないでしょう。  そんな中で正社員の数を減らすには、幹部候補層がいなくなってもいい、と思い切ったうえで座組みを作る必要があったのだろうなと思います。
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“最低限の結果を残した”とも言える
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