マンションにも原価があった! 知られざる原価率とは
デフレで物がどんどん安くなるなか、気になるのは企業が儲かっているのかどうか。実際、多くの企業が業績悪化で苦しんでいるものの、激安商品をウリにした企業には業績好調なところも。そこで今回は激安衣料や飲食店の食べ&飲み放題、さらに神頼みグッズまで、さまざまな商品の原価を調べ、儲かるカラクリに迫った!
【住etc…】
マンションの販売価格の約68%は粗利益だった!
◆マンション
定価 5520万円
原価 1764万円
一生に一度の買い物の自宅。例えばマンションの原価はどうなっているのか? 金子氏に試算してもらった。
「77.33m2で5520万円のマンションの場合、物件価格の約1割の500万円が土地代、材料費が552万円、内装の費用が110万円で、合計1162万円がマンションの原価と言うことができます。この原価に建設会社に支払う工賃602万円が加わり、これらを5520万円から原価(1162万円)と工賃(602万円)を引いた3756万円がデベロッパーの粗利益になります」
とはいえ、まだまだ費用はかかる。
「ここから営業マンの人件費や宣伝広告費、建設資金の借入金利などの負担が必要になりますし、建築資材の変動リスクや売れ残る可能性などを考えると原価率は低くて当たり前。一種の保険料として原価を低く設定しておく必要があるんです」
実際、大手デベロッパーの営業マンによれば、「売れ残ったときは大損ですよ。ほとんどバクチみたいなもの」とのこと。景気にも左右されるし、確かにおいしい商売ではなさそうだ。
●原価を知り尽くす達人●
【坂口孝則氏】
調達業務研究家 メーカーの調達部門を経て独立。現在、調達購売マネジメント取締役。近著に『激安なのに丸儲けできる価格のカラクリ』(徳間書店)
【金子哲雄氏】
流通ジャーナリスト兼プライスアナリスト。モットーは「清く貧しくゴージャスに」。など著書多数
― 知って得する[原価のカラクリ]大調査【5】 ―
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