アイドルグループのライブツアーなど、団体でホテルを利用する場合、1つのフロア全てを貸し切るケースが多い。これは一般の客と部屋の前での遭遇を避けるための配慮だが、これにより、一般客ではあり得ない”怪しい予約”を行うタレントがいるそうだ。 「以前あった例として、グループメンバーと関係者で6階フロアを貸切にしたことがあったのですが、その6階に泊まっている男性タレントの1人から予約が入りました。そのときの予約がまぁ怪しくて……。『すみません、6階以外のフロアで部屋を追加でとってもらっていいですか？』と言われたんです。これは『メンバーと関係者にもバレたくない怪しい交際をしている』って言ってるようなもの。ホテルマンにバレるリスクより、外で会ってしまうリスクの方が大きいのでしょう。 　結局そのときは、翌朝不倫相手が外に出るタイミングを失ってしまったみたいで……。関係者の誰にも会わないようにホテルを抜け出すには、まだ誰もいない早朝にこっそり出るしかありません。そのタイミングを逃した女性は、相手の男性タレントがチェックアウトした後も部屋に留まり、関係者にバレずにホテルを出るタイミングを見計らっていました。 　しかしその男性タレントは、元の6階の部屋だけをチェックアウトすればよかったところ、新たに取った方の部屋もチェックアウトしてしまったようで……。その結果、忘れ物が出ていないか念の為確認しに来たホテルマンの私と鉢合わせしてしまったのです。 　服は着ていたので慌てて閉めるようなことにはなりませんでしたが、さすがにお互いびっくりしましたね。冷静なフリをした私が『この部屋チェックアウトされましたよね？』と聞くと、『すみません、彼が間違えて。もう少しここにいさせてください』と俯きながら言い、そのまま関係者がいなくなるまでその部屋にいました。別フロアの部屋を予約すれば、入る時は問題ないかもしれませんが、出るタイミングを考えてくれていないとホテル側は迷惑ですね」 　一般的なホテルは、インターネットや電話で予約を行った後、ホテルに来てチェックインを行う。しかし女遊びの激しい男性有名人は、部屋からフロントに内線電話で予約するパターンがあるようだ。 「これは一般の人ではあり得ない話ですが、有名タレントは内線から予約が入ることがあります。深夜2時ころに急に部屋からの内線電話が鳴り、要件を聞くと『もう一部屋用意してください』と言うんです。おそらく街のキャバクラやライブ終わりのファンらと飲み、その女性たちをホテルに連れ込むために別の部屋を用意するのでしょう。今泊まっている部屋でも問題なさそうですが、ホテルの料金が会社持ちだと値段が変わりますし、何より他の関係者にバレる可能性がありますからね。 　1番びっくりしたのは、深夜3時に『今空いている1番大きい部屋を4人で』と言われたときですね。もはやそれは『今から4Pします』って言ってるようなものですから。真夜中にフロント横のエレベーターに向かって、遠くからでもわかる複数のヒールの音が迫ってきたときは思わず笑ってしまいました。 　もう酔っているからどうでもよくなっているんでしょうけど、内線からの予約は異例なので、ホテル従業員のなかでは話題になります。ホテルマンは仕事柄、口が堅い人が多いですが、ホテルマン同士の飲み会でネタにしているのは事実です」 　どこのホテルマンも客の情報を口外してはならず、実際にホテルマンから流れた情報というのはあまり聞いたことがない。しかし彼らも人間であり、芸能人が来ていたら注目してしまうのは当然のこと。家庭の目から離れた遠征先でも、有名人は常に周囲の人から見張られていることを自覚しなければならない。 取材・文／日刊SPA！編集部