遥子ちゃんと交互にアイスを積んでいった。最初のほうはなにも考えずにポンポンと積んでいけばいいのだが、10個目あたりからグラつきはじめる。わざと少しズラして積んで相手のターンで崩れやすくするか。いや、それでもし相手が積むのに成功したら自分のターンで苦しくなってしまう……。そんなことを考えながらゆっくり慎重に進めていく。 　お互いのアイスをほぼ使い果たしそうになったところでガシャンと崩れた。そしてゲームは遥子ちゃんの勝ちで終わった。 　2つめのゲームはぐらぐらアイスブリッジ。2つの人形の間にアイスのブリッジを架けるというもの。アイスを大きく湾曲させて積んでいかなければならないので、必ず2人以上での協力が必要になる。このゲームには勝敗がないのだが、これもかなり面白い。合コンなどで女の子といっしょに遊んだら親密度は大幅にアップし、かなり盛り上がりそうだ。これは買って正解だったぞ。そう思っていたのだが……。 　3つめのゲームはハラハラ回転アイス。人形2つでアイスを挟んで落とさないようにして上下をひっくり返す。そしてひっくり返すごとにアイスをひとつずつ追加していき、先に落とした人が負けである。 「さあ、次はハラハラ回転アイスで勝負だ！」 　しかし、遥子ちゃんは手を止めて首を傾げている。 「どうしたの？」 「うーん、なんかもう飽きちゃった……」 　飽きるの早！ ＜取材・文／小林ていじ＞
バイオレンスものや歴史ものの小説を書いてます。詳しくはTwitterのアカウント@kobayashiteijiで。趣味でYouTuberもやってます。YouTubeチャンネル「ていじの世界散歩」。100均グッズ研究家。