“夜の女王”大船に誕生。水商売一筋に生きるラウンジママの思い
夜の街で働く女性たちを対象にしたミスコン「ナイトクイーングランプリ」(主催・日本水商売協会)が10月10日に開催された。予選を勝ち抜いた全国各地の26人が当日のステージに臨んだが、神奈川県鎌倉市大船から“夜の女王”が誕生した。「Lounge JASMINE」ママの真利香さん(35歳)である。
「どんな状況でも私にはこの仕事しかないんです」
同店は2006年、横浜市の戸塚にて家族経営でスタート。真利香さんは高校卒業後、先代のママである母親の手伝いを始めた。そして、25歳で店を継ぐことになり、5歳年下の弟・翔太さんを仕事の相棒に邁進してきた。3年前、大船に移転してリニューアルオープンしたが……。
「すぐにコロナ禍が訪れて。時短などの要請に対応していましたが、出ていくお金も多かったので厳しかったですね」
自分だけでなく、従業員の生活もかかっているなかで、夜の店に対して批判の矛先が向けられる。犯罪者扱いされ、深く傷ついたこともあった。まるでアクセルとブレーキを同時に踏んでいるような感覚。葛藤しながら営業を続けていたが、その間に離れてしまった客も少なくなかった。
「家庭や会社の環境が変化するなかで、お酒や夜遊び自体をやめてしまった人もたくさんいて。正直、悩みました。ただ、いつでも良き相談相手でいちばんの理解者が家族というのはとても大きかったです」
地道に続けたかいあってか、今年の夏頃から徐々に客足が戻ってきたと話す。店の雰囲気を伝える表現に「アットホーム」がよく使われるが、ここは本当の意味で家族だ。
「お客さんも家族愛を求めて来ているのかも。人間関係が希薄になりつつある時代に、人と人とをつなぐ。それが自分の役目なのかなって」
栄冠を手にしたが、コロナ禍においては多くの飲食店と同様に苦戦を強いられていたという。彼女は、いかにして乗り越えてきたのか。
逆境を乗り越える覚悟「私にはこの仕事だけ」
“家族の絆”で守る母親から継いだ店
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明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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