ガテン系の現場に若き女性の姿。“残土ガール”の正体が意外すぎた
トラックやショベルカーなどの重機が動き回る残土処分場。そこで働く人たちの様子をInstagramやTikTokなどのSNSで紹介する「残土のお仕事」というアカウントが話題を呼んでいる。開設から1年未満にもかかわらず、総フォロワー数は3万弱。
「最初はぶっちゃけ、“残土って何?”みたいな状態でした(笑)」
“残土ガール”として活動するYuka Shigemitsuさん(27歳) がこう話す。残土(建設発生土)とは、建設や土木工事などの際に発生する不要な土のことで、法律や自治体のルールに従って適切に処分しなければならない。ここには、残土が積まれたトラックがひっきりなしに出入りしていた。
Yukaさんは、約半年前から“広報のお手伝い”をするようになったというが、その経緯を説明する。
「もともとは知り合いのツテで残土処分場に連れてきてもらって、今までに見たことがない光景にテンションが上がりました。大きなショベルカーやダンプカーが目の前で動いていて、“重機の運転席はこんなに揺れるの!”みたいな。
みんな一生懸命働いていて、建設現場の裏側では“こういう仕事もあるんだ!”って驚きました。一般的にはあまり知られていない陰の存在だけど、世の中になくてはならない素敵な仕事だなって」
とはいえ、彼女が動画に登場するようになってから賛否両論あったという。知らないことばかりで「認識が甘かった部分もある」と反省も口にする。
「現場スタッフの立ち合いのもと、安全に配慮したうえで撮影しているのですが、ヘルメットをかぶっていなかったことや、ネイルや肌の露出、重機のハンドルの持ち方などの基本をコメントで注意されてしまったり……。実際、指摘を受けて学ぶことも多いですね。
辛辣な意見もあったのですが、あらかじめ“SNSってそういうものだ”と思って覚悟はしていました。残土の仕事を広めながら、視聴者の皆さんといっしょに学んで成長していきたいと思っています」
そんなYukaさんの根底にあるのは、「自分の表現(エンターテインメント)を通して知ってもらいたい」という思いだ。現場でダンスパフォーマンスを披露することもあるが、彼女の本業はもしかして……。
「普段は“ダンサー”として活動していて、アメリカでのダンス漬けの生活から先日帰ってきたばかりなんです」
じつは彼女、日本とアメリカを行き来しながらダンサーとしてショー出演、インストラクター、コレオグラファー(振付師)などの活動を行い、加藤ミリヤやMIWA、UNISON SQUARE GARDENなどの有名アーティストのMV/PVにも出演。作業服メーカー「ワークマン」のYouTubeをはじめ、大手企業のCMなどにも登場している本格派だ。
まさに“魅せる”プロと言えるのだが、ここに至るまでには紆余曲折あったとか。
“残土ガール”と呼ばれる金髪に黒肌のワイルド&セクシーな女性が現場をリポートする内容だが、時にはダンスパフォーマンスで“魅せる”ことも……。華麗な動きに思わず目を奪われてしまう。彼女はいったい何者なのだろうか。その正体に迫るべく、今回はエコナビ株式会社が運営する神奈川県横浜市の残土処分場を訪れた。
“残土って何?”状態からスタート
SNSのコメントで注意を受けて…
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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