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実は社会人の必須テクだった“自己紹介”。相手の心を掴むテクを元芸人起業家が伝授

新年度は新しい人や環境との出会いが連続する季節。苦手な人にとって自己紹介はストレスでもある。しかし、避けては通れない上にビジネス上必要なスキルでもある。そこで、芸人として活動し引退後は人事コンサルタントに転職し営業成績ナンバー1を獲得。そして現在は株式会社俺という人材紹介会社を営む中北朋宏氏に、自己紹介のノウハウを聞いた。

自己紹介の変化で売り上げが2倍以上に

中北朋宏

中北朋宏氏

ーー自己紹介は初対面における儀礼のようなもので、ビジネスにおいて重要ではないとも感じる部分もありますが、どのようにお考えですか? 中北朋宏氏(以下、中北):めちゃくちゃ大事ですよ。自己紹介が平凡な人は逃しているものがたくさんあると思っています。 ーーなぜ自己紹介は重要なんでしょうか? 中北:相手に印象を残すということは簡単ではありません。それは「ほとんどの人間は自分には関係ない」と思っているからで、そういう人に振り向いてもらうのは難しいですよね。しかし、そこで他者と差別化し自己紹介をして印象に残ることができれば、ビジネスのチャンスが一気に増えます。 ーーご自身も、自己紹介を差別化したことで好影響があったのですか? 中北:会社を立ち上げて最初の年は特に自己紹介を意識していませんでした。2期目から自己紹介の内容を意識して作るようになったんですが、シンプルに売り上げが2.5倍になりました。

自己紹介ふたつのステップ

ーーではまず、自己紹介をどのように進めるか教えてください。 中北:まず、自己紹介の目的を理解しておく必要があります。相手にいい印象を与えることですよね。そして、自己紹介はふたつのステップで成り立っています。 ーー最初のステップはどのようなものでしょう。 中北:とてもシンプルで、ここまでは多くの人がやっていると思いますが、笑顔と明るい第一声です。「初頭効果」と言われますが、人間は初対面の相手を6~7秒で判断し、その印象は半年持続するとされています。 ーー社交として明るくはやりますが、初頭効果を生むことを意識して臨むとよりきちんとできそうですね。では、次のステップは? 中北:内容に入ります。ここでは「話しかけたくなるきっかけづくり」をします。例えば、名前と所属だけ言っても、必要以上に話しかけようとは思いませんよね。なので、出身地や学生時代の部活、趣味の話などを意図的に入れます。 ーー趣味などを添える自己紹介はよくありますが、映画鑑賞など当たり前の趣味だと差別化になりにくいですね。奇抜な趣味を持った方が良いのでしょうか。 中北:ここで重要なのは、「趣味は映画鑑賞です」で終わらせないことです。「映画の中でも◯◯が大好きです」と具体的な話までします。 自己紹介に必要なのは自己開示なので、そこまで話してようやく開示といえます。 ーー同じ映画が好きだったら会話も盛り上がりますし、もしそうでなくても「なぜその映画が好きなのか」を語れれば、自分がどういう考え方をする人物なのかが開示できますね。 中北:秋元康さん風にいうと、多くの人に好かれるように「幕の内弁当」のような自己紹介は必要ありません。「焼肉弁当」のような自己紹介にしていくのがいいと思っています。単なる「いい人」は忘れられていくので、「大好き」だと思ってくれる人を作りにいくと意識してやってみてください。
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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