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那須川天心、ボクシングデビュー戦から見えた課題とは。試合会場では「珍しい現象」が

いきなり1位にランクされる可能性も

 さて、那須川の今後だが、まずは今月下旬に日本ボクシングコミッション(JBC)が発表する日本ランキングに注目したい。現在、55.3キロが体重上限のスーパーバンタム級王座は空位だが、4月26日に1位の石井渡士也(REBOOT.IBAジム所属)と2位の下町俊貴(グリーンツダジム所属)が王座決定戦を行うことになっている。  また、3位の中川麦茶(一力ジム所属)は4月16日にフィリピンの選手との試合が決まっている。こうした上位選手の結果次第では、那須川がいきなり1位にランクされる可能性もあるのだ。  次戦は8月が有力とみられている。本田会長は「4月いっぱいは休養させ、5月に走り込み中心のトレーニング・キャンプをして、そのあとで海外トレーニング」との方針を打ち出している。

次の対戦相手は誰になるのか

 第2戦はさらに注目度が上がりそうだが、仮に那須川が日本ランキング上位に入ったとしても次戦でタイトルマッチの可能性はゼロに近い。日本(10回戦)や東洋太平洋、WBOアジアパシフィック(ともに12回戦)のタイトルマッチに出場するためには、8回戦以上の試合に出場できるA級ライセンスが必要なのだ。  現時点では那須川は6回戦までが許可されたB級ライセンス保持者で、B級で2勝しなければA級には昇格できない規定になっている。だが、おそらくデビュー戦の内容と結果が評価され、次戦は特例で8回戦が許可されるものとみる。再び日本上位ランカーとの対戦になるのか、それとも世界ランク下位の選手と力試しをするのか。
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「1年後には日本で一番になっていると思う」
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日本大学法学部新聞学科卒業後の1982年4月、ベースボールマガジン社に入社。「ボクシングマガジン」編集部に配属となり、1988年~1999年まで11年間、同誌編集長を務める。2001年に退社しフリーのボクシングライターになる。以来、20年以上にわたりWOWOW「エキサイトマッチ」の番組構成を担当。そのほか日刊スポーツWeb版などに寄稿。著書は「ボクシング 名勝負の真実・日本編」「ボクシング 名勝負の真実・海外編」(いずれもネコパブリッシング)、「タツキ ~愛とボクシングに生きた男の半生~」(PHP研究所)など
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