仕事

新入社員が会社のブラック体質をSNSで暴露。モンスター社員だと思いきや… ――大反響・驚きの新入社員トップ10

新入社員はモンスターではなく、救世主!?

「飛び込み営業が基本なので、新人にはかなりブラックなことをさせるのが慣習でした。具体的には、ターミナル駅で新人数人で並び、道行く人に朝の挨拶。そのまま駅構内での名刺交換。新人でも、1日50枚以上名刺を持ってこなければ、帰社して反省文を書かせるのです」  神奈川県内の中堅商社に務める勝俣貴美子さん(40代・仮名)も、新人と同じようにこうした“ブラック研修”を行なってきた。そして、これが自身を“強くした”と信じてきたのだ。しかし、今春入社した新人が、こうした体制に反旗を翻したのである。 ブラック企業「本名が書かれたツイッターで、会社の研修を“ブラック”だとか“ふざけるな”と書いたそうです。それを見た取引先から問い合わせがあって……」  これに社長や取締役が激怒、本人を呼び出し説教を行ったのだが、ここでも新人は折れるどころか、別の取引先にも電話し、“この研修がブラックではないのか問い合わせる”などと反論したというのだ。 「確かに時代錯誤ではあるかもしれない。でも、みんながそうやってきたし、それで会社が成長してきたという事実もあります。ただ、新人の指摘を受けて、もっと別のやり方があるのではないか? という風潮も生まれて、新人を含めた営業チームの発足が検討され始めました。新人は、ネットやSNSを使った新たな営業ツールをたくさん提案し、確かに駅や街頭に立って声をあげ続けるより、こちらの方が効率的ではないか、と目を見張る役員もいるんです。最初は“モンスター”だと思っていましたが……。なんというか、狐につままれたような、古い自分が恥ずかしくなってきて」  新しいやり方が全て正しいとは言えないかもしれない。しかし、新たな方法によって現状を打開する何かが発見できることだって少なくないはず。こうした事実を教えてくれたのが“モンスター新入社員”であったとすれば、新入社員はモンスターというより“救世主”とも言えるのかもしれない。<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
1
2
3
おすすめ記事