「お互いの休みの日に約束を取り付け、心斎橋でランチをしました。食べ終わって『次はどこ行こう？』とワタルが聞いてきたので、率直に『ホテル行こう』と誘いましたよ。もちろん向こうはビックリしていました。ただ、ランチの時点で彼氏と別れたことを話していたので、何か察したんでしょうね。『本当にいいの？ 俺はいいけど……ヤケになってない？』と確認されました」 　美空さんが遊び慣れていないことを知っていたワタルは、ホテルに向かう道中で何度も「本当に大丈夫？ 無理してない？」と聞いてきたそうだ。 　戸惑う彼の手を引っ張り、適当なホテルに入った。シャワーを浴び、ほとんどヤケクソでベッドインした美空さんだったが……。 「身体を重ねてから10分くらい経った頃でしょうか。彼が中折れしちゃったんですよ。全然復活しなくて彼も焦ったのか、だんだん顔面蒼白になっていって。いったん中断して落ち着こうとソファーに移動すると、『女の人に恥をかかせてしまった……』って膝を抱えて落ち込み始めたんです」 　どうしたらいいのか分からなくなった美空さん。「大丈夫だよ、気持ちよかったから」と必死にフォローするも、逆効果にしかならず。ワタルは「俺はもうダメだ。顔と下半身しか取り柄がなかったのに」とお通夜状態に。 「彼が落ち込んでいた一方で、私は『好きじゃない人とする性行為ってこんな感覚なのか。“身体だけの関係”ってこういうことなのか』と妙に悟った気持ちでいました」 　地獄のような空気が漂うことしばらく、落ち込んでいたワタルが顔を上げ、涙目でこう切り出した。 「『美空ちゃんとやっとできたと思ったら、感極まってそういう気持ちがどっかにいっちゃった』って。は？ って感じですよね（笑）」 　ワタルが言うには、「俺は女にだらしないから、身体の関係抜きで友達なのは美空ちゃんだけ。昔好きで、でもずっと健全な関係だった女の子と“ついにやっちゃった”って思ったら、すごくエモくなって……」とのことらしい。 　これには美空さんも返す言葉が見つからなかったそうだ。