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なぜか深夜のラブホに勤務する「履歴書が空白だらけ」40代男性の正体。元従業員が明かす“ワケあり”のスタッフ――仰天ニュース・トップ3

口先だけで全く仕事ができない…

天井 いよいよXさんの初仕事。結論から言いますと、彼の仕事ぶりは最低としかいえないものでした。  自分から動こうともしなければ、指示を出しても従わず、“オリジナルの方法で”やろうとする、コンビニボックスに補充する備品は“100%”入れ間違える、清掃後のベッドに勢いよく座りこむ(そのせいでベッドメイクはやり直し)、頻繁に受付室に戻ってタバコ休憩……などなど。  挙句の果てには「自分はこの仕事に向いてない」、「フロントでなら結果を出せる(なんの結果だろう)」と言い出す始末。  彼に清掃を任せられないと考えた筆者は、Xさんとポジション交代してみたのですが、フロント業務での仕事ぶりはと言いますと、これもまたひどいものでした。  釣り銭を頻繁に間違える、客室に飲み物を届ける時にノックせずに入室する、勤務中に爆睡……一事が万事こんな調子なので、最終的には筆者がフロントと清掃を兼任する状態となっておりました。  深夜帯フロントと清掃の掛け持ちに疲れ果てた筆者は、夜勤の清掃を別の方にお願いし、夕勤のフロント業務に戻りました。  毎回出勤予定時間よりも1時間早く来て、筆者の後ろでタバコをふかしながら勤務の開始を待つXさんと過ごした時間は、なかなかきついものでした。

履歴書は合計25年もの空白期間、アルバイト先を転々とした後に…

 ある日のこと、筆者が出勤するとデスクの上にはTさんの履歴書が。どのような“輝かしい経歴”が記されているのだろうかと思って見てみると……。  Xさんの履歴書は、空白の期間が多くを占めていました。  大学を7年通ったのちに中退。そこから20年もの空白期間を経て、コンビニ店員のアルバイトへ。そこから職種をいくつか変えるも、全てが3ヶ月も経たずに退職しており、その後再び5年の空白期間があり、現職へ。  分かりきってはいたのですが、Xさんの輝かしい武勇伝は全て作り話。理想像を語ることで溜飲を下げていたのでしょう。そう考えると筆者は急に悲しくなってきて、「今の職場でXさんが少しでも自信をつけてくれれば。同情と言えばそれまでだが、これからはXさんに優しく接しよう」と、その時は誓ったのです。  しかし結果として、優しく接するほどにXさんは傲慢になっていき、最終的には筆者に意見したり、人生訓を語るようになっていきました。
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5年間の空白の理由は…
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およそ6年にわたり、渋谷区道玄坂の激安ラブホにて受付業務および清掃業務に従事。繁華街で様々な人間を見てきた経験をもとに、迷惑客の存在やスタッフの裏事情などをテーマに執筆(していく予定)。
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