東大院卒の研究者兼レースクイーン「そんなスカート履いて…」教授からの“アカハラ”の実態を明かす――大反響トップ10
反響の大きかった2023年の記事からジャンル別にトップ10を発表してきた。今回は集計の締切後に、実は大反響だった記事に注目。年間ランキングで忘れられがちな11月12月に公開した社会経済ニュース記事から選ばれた、第2位はこちら!(集計期間は2023年11月~2024年1月。初公開2023年12月6日 記事は取材時の状況)
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【才媛】 才能の優れた女性――。だが挫折なき才能に、人が魅せられることはない。本連載では、生きるのに不自由しない輝きを持ちながら、それに甘んじることなく挑戦し続ける風変わりな女性たちの半生を紹介する。
レースクイーン、シンガーソングライターなどのエンターテイメント業界で注目を浴びながら、科学研究を“本籍”とする女性がいる。Reina+World氏(以下、Reina氏)だ。華やいだ顔立ちで心の底から楽しそうに話すのは、昆虫の話なのだ。
「幼稚園くらいのころから、とにかく生物が好きでした。漠然と『昆虫博士になりたい』と言っていて、幼稚園の卒園文集にも『将来の夢』にそう書いたくらいです」
愛知県に生まれたReina氏は、小学生時代には自治体が主催する自由研究のコンクールで受賞するなど、すでに頭角を現した。昆虫のことなら何でも知りたい。そう思ったとき、真っ先に“勉強”の成果を自慢できる相手は、父親だった。
「父とは昔から仲良しです。幼稚園から小学生のころは、『この昆虫知ってる?』と、父に“昆虫マウント”をとっていましたね。父はそんな私に張り合ったり、ときにはわざと負けたふりをしてくれたりしていました。というのは、だいぶあとから知ったのですが、父は微生物の研究者なんです。企業と協力して、現在でも使われている技術の開発に携わっていたこともあります。馬が合うなと思っていましたが、血筋でしょうか。特に誘導があったわけでもないのに好きなものが似たんですよね」
父親とはもうひとつ、音楽という接点があった。2歳半からバイオリンを習い始め、指導者をして「藝大に入れたい」と言わしめたReina氏の音楽の素養は本物だ。だが父親も負けず劣らずの才能を持つ。
「若いころの父はバンドマンでした。ギターボーカリストとして、大手事務所との契約の話もあったくらいのめり込んでいたようです。研究だけではなく、エンターテイメントが好きなところも同じだなと驚きました」
幼少期からの夢が一切ブレることなく思春期を迎えたReina氏は、東京大学を目指した。結果的に他の国立大学へ進学することになったが、もともと東大志望は「多種多様な研究が実現するから」というもの。大学院からは、望み通り東京大学の旧分子細胞生物学研究所へ所属することになる。
学生時代は、「人に見られる」ことを意識した時期でもあったと振り返る。
「もともと小学生のころはぽっちゃりしていて、体型にまったく自信が持てませんでした。しかし、高校くらいになって痩せたら他校の生徒から告白されたりして、『自分を好いてくれる人がいるんだ』と少しだけ自信になりました。大学時代はレースクイーンなどをやったり、接客が学びたくてデパートで働いたりもしました。お客さんと話すことが楽しかったですね。同時に美容について考えるきっかけも持てました」
昆虫のことなら「何でも知りたかった」
レースクイーンに挑戦した大学時代
ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki
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