タクシー車内で大合唱!? 運転手が見た、“ニッポンを謳歌する”外国人観光客たちのリアルな姿
今、日本各地で多くの外国人観光客の姿を見かける。東京でタクシードライバーをしている筆者もそれは同じで、お客さんとして乗せる機会が格段に増えている。コロナ禍が明け、大幅に訪日客が増えたこと。面倒な言葉のやり取りなしで迎車地と目的地を指示できるタクシーアプリの普及。圧倒的な円安が背景にある。
ほぼ全ての外国人観光客に共通しているのは、大量の荷物を持っていること。日本人が海外に出る時より確実に大きく、人間ひとり入れそうな巨大なスーツケース+登山用バックパックあたりはお約束。ドライバーがラゲージスペースに積み込もうとしても、あまりの重さに腰に負担がかかる。そういう時は、作り笑いで「heavy?」と言葉をかけると、みんなニコニコしながら手伝ってくれるからありがたい。
これまで最大の量だったのは、某全国チェーンホテルからひとりで乗ってきたちょっとオタクっぽい感じの小太りな30代男性。彼と巨大なスーツケース2個+段ボール2個+バックパックでフル積載の状態になった。目的地は蒲田のホテルだったので、翌日早朝の羽田発で帰国する予定だったようだ。
意外な場所から外国人旅行者が乗ってくることもある。冬のある日、荒川区の小さなビルに呼ばれた時は、中から10人の外国人旅行者がぞろぞろ。民泊的な使い方をしていたようで、そこには大量の荷物も並んでいた。
結局、4台のタクシーが集められ、パズルのように人と荷物を各車に振り分けるのに約15分。日本人なら急かされるだろうけど、彼らは待っている間も陽気。筆者の車には男女4人が乗り、指定された行先は東京駅。念のため、新幹線に乗るのか聞くと「Yes Kyoto」と元気な答え。では八重洲中央口だねと、車列を組んで走り出すと、雪がちらつき始めた。
すると、助手席に乗っていた女性(おそらく30代)が感傷的になったのか、「Good-bye Tokyo」とつぶやき、何やら英語で歌い始め、他の3人もそれに同調。東京駅に着く直前まで歌声は続いたのであった。
では、日本を訪れる外国人旅行客はどのような特徴があるのか? 日々、彼らと接しているタクシードライバーの立場から見える姿をご紹介しよう。
とにかく荷物がデカくて重い
大所帯でわいわい楽しみ、車内で合唱
フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー
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