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タクシー運転手が遭遇した“神客”。吉原の女性の「素敵な対応」に感動、一方で銀座は…

同業者の話は同意の嵐

タクシー 早朝のビジネスホテル前から乗ってきた中年の男性は、日曜日にも関わらずスーツ姿に大きめのキャリーバッグを持っていた。出張と思いきや、目的地を聞くと都内の某公園駐車場を指定する。  確かあそこは観光バスの駐車場があったはず。「もしかして、バスの運転士さんですか」尋ねると「はい、やっぱりバレますか(笑)」と明るい返事が返ってきた。  乗っている車種は違えども同じプロドライバーなので、その後はタクシーと観光バスの働き甲斐について意見交換が続いた。世間ではバス運転手は人手不足で大変とも聞いていたが、その男性は「ウチは外国人専門のバス会社なんで、皆さん陽気で楽しく運転できていますよ。チップだけでも結構もらえるのでいいですよ」なんてお話も。同業者とは気軽に話すことができ、意気投合することが多いから面白い。

ちょっとコンビニ寄ってと頼まれた後

 アプリで都心のマンションから乗ってきたのは20代半ばくらいの男性。タクシーに乗り慣れているのか、目的地の伝え方が的確かつ正確。テキパキしたデキる若手サラリーマン的な印象を持った。  その彼が途中で「すみません、この先のコンビニで停めてちょっと待ってもらえますか?」と降りていく。数分後、戻ってきた彼は「お待たせしました。これ、良かったどうぞ」と、冷たいペットボトルのお茶を差し出した。 「わざわざ停まって待ってもらった運転手さんへのお礼です」なんてニクイ言葉まで添えてくれる。嬉しいじゃないですか、こういう気遣い。その後の運転はより慎重に、気合を入れ直した。
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気遣いの言葉が自然に出る人なら大歓迎
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フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー

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