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「できれば近寄りたくない」タクシー運転手泣かせの東京“魔のスポット”

 タクシーが鉄道やバスと決定的に違うのは、貸切で乗車地と降車地、ルートを指定することができる点だ。ゆえに運賃が高くなるわけだが、道路が繋がっていればどこでも行けるわけではない。道路交通法により進入や停車が禁止されている場所はその最たるものだ
東京ワケあり乗降地

東京駅丸の内口周辺。こちらは北と南に大きなロータリーがあり整備されている

 中でも時間帯により規制の内容が変わる道はやっかいで、初見で瞬時に理解することは難しい。爆発的に普及した配車アプリでもそれに対応しきれていないため、ドライバーとお客さんの間でトラブルが起こることがある。東京都内を実際に走っている現役ドライバーの筆者が、詳しく解説しよう。

首都東京を代表するのに…東京駅八重洲口中央降車場

 東京駅は丸の内北口、丸の内南口、日本橋口、八重洲中央口の4か所を降車のため乗り入れることができる。中でも圧倒的に要望が多いのが新幹線にアクセスしやすい八重洲中央口で、専用の降車場がありロータリーになっている。
東京ワケあり乗降地

東京駅八重洲中央口降車場の看板

 と、文字にするとよい場所に思えるが、これが首都東京を代表する巨大ターミナルの降車場かというほど小さい。8台も入ればもうパンパンなのに、午前中など常時10台以上がここに入ろうとして渋滞が起き、目の前の外堀通りまで車列が溢れる。しかも、新幹線利用客が多いため、各車山積みの荷物があり、降車にかなり時間がかかってしまう。
東京ワケあり乗降地

東京駅八重洲中央口降車場

 ツウな人は日本橋口にも新幹線改札があるのでそちらを指定するし、ドライバーもおススメすることはあるが、高い確率で「いや、八重洲口へ」と拒否される。

時間帯により姿を変える神楽坂

 JR/有楽町線の飯田橋駅付近(神楽坂下交差点)から神楽坂上交差点を経由、東西線神楽坂駅出口2付近(矢来町第二交差点)を結ぶ約1キロの神楽坂通り(早稲田通り)は、曜日や時間帯により次のように交通規制が変わる。
東京ワケあり乗降地

神楽坂下交差点。瞬時に全ての規制標識を理解するのは難しい

・月曜~土曜 0時~12時:矢来第二交差点→神楽坂下交差点の一方通行 12時~13時:神楽坂上交差点~神楽坂下交差点は歩行者専用 13~24時:神楽坂下交差点→神楽坂上交差点の一方通行 12時~24時:神楽坂上交差点→矢来第二交差点の一方通行
東京ワケあり乗降地

神楽坂下の標識の一部

・日曜・休日 0時~12時:矢来第二交差点→神楽坂下交差点の一方通行 12時~19時:神楽坂下交差点~神楽坂上交差点は歩行者専用 19時~24時:神楽坂下交差点→神楽坂上交差点の一方通行 12時~19時:神楽坂上交差点~赤城甚神社前交差点は歩行者専用 19時~24時:赤城神社前交差点→矢来第二交差点の一方通行  こうして文字だけで理解することは難しいかもしれない。詳しく知りたい人は「牛込警察署神楽坂通りの交通規制」も参考にしてほしい。複雑なお話で申し訳ない。けれど、坂の途中に目的地がある場合、時間帯次第で遠回りやたどり着けないケースがあることを、お客さん側も知っておいてほしいのだ。
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新宿駅南口は乗り降りできない
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フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー

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