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都心のタクシー運転手を悩ませる“5mルール”という理不尽「そこで降りると言われても…」

「速やかに移動させてください」

道交法とガードレール問題 参考までに、筆者は先日、杖をついた高齢のご夫婦を乗せ、ある商業施設の前までお送りした。案の定、周辺はガードレールに阻まれ、安全に降りてもらう場所は横断歩道の近くに停めるしかなかった。仕方ないと歩道から1mほど離れた場所に停め、ご夫婦を介助しながら歩道に誘導していたところ、近くを通りかかったパトカーから大音量で「タクシーの運転手さん、そこは駐停車禁止です。速やかに移動させてください」と注意喚起。  そりゃね、法律違反はわかっているさ。でもさ、この杖をついたふたりの状況が見えないかね?と思いつつ、さらに10秒ほど介助を続けていたら「繰り返します。そこは駐停車禁止場所です。早く移動させてください」とボリュームが上がり、肝を冷やした。 「交差点を過ぎて〇mくらい行くと切れ目があるからそこで降ります」と指示してくれるような素敵なお客さんは、滅多にいないのが現実だ。 <TEXT/真坂野万吉>
フリーライター。定時制で東京を走り回っている現役の中年タクシードライバー
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