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東京・大手町にある“愛煙家のオアシス”的カフェ。「豊かな時間へのこだわり」が随所にあった

“Good Smoking”というミッション

葉巻、かぎたばこなど、様々な種類のたばこが陳列されている

 前述したとおり、ブリケを運営する株式会社元林は喫煙具の販売を手がける創業120年の老舗企業。かつてはクリスマスやバレンタインに、パートナーへのギフトとして買い求める女性客が多かったこともあったというが、実に一世紀以上もの間、喫煙者に寄り添ってきた会社が、喫煙場所の減少や、嫌煙感情の高まりなど、厳しい環境を強いられている現代の愛煙家のために、限られた喫煙の機会を満足に過ごせる“場所”として提供しているのが「ブリケ」だという。 「お店が掲げているミッションは“Good Smoking(たばこを吸う人も吸わない人も心地よい環境)で笑顔を広げたい”です。モノ・コトがスピーディーに進む現代でふと足をとめて、自分自身に戻る瞬間。そのひとときが緊張を解きほぐし、豊かな時間を過ごせることにこだわっています。たばこが日本の暮らしに根付いたのは江戸時代ともいわれていますが、長い間人々に愛され続けてきた“精神の解放”と“文化”としてのたばこを楽しんでもらうべく、カフェ事業だけでなく、シガーや手巻きたばこ、パイプなどを体験できる各種イベントも実施しています」  「喫煙所が足りない問題」は東京だけでなく、万博を来年に控え、市内全域を路上禁煙とする大阪市でも喫緊の課題として取り上げられている。喫煙所の不足により、野良たばこ(喫煙所以外で隠れて吸う行為)の増加も懸念されるが、用地の取得や設置費用の問題等、遅々として進んでいないのが現状だ。  そうした状況下において喫煙者と非喫煙者が共存する社会を作り上げるためには、今回紹介した「ブリケ」のような民間企業の取り組みも重要となってくるに違いない。 スモーカーズカフェ・ブリケ大手町店プレイス店 住所:東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイスタワー2F 営業時間:7:30〜20:00 定休:土日祝 <取材・文/日刊SPA!取材班 撮影/林 鉱輝>
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