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車の教習中に“あおり運転”に遭遇。白い軽自動車の運転手が“悔しそうな表情”で警察に捕まるまで

「そんな空ふかしがなぜ必要なの?」

渋滞 富川守さん(仮名・50代)は、車通勤の途中、飛び出してきた自転車を避けるため、急ブレーキをかけた。そこからあおり運転が始まったという。 「自転車との事故にはならなかったので、『やれやれ』と気を取り直してゆっくり発進したのですが……」  富川さんが急ブレーキをかけ、“巻き添え的に急ブレーキを踏まされたこと”に腹を立てたのか、後方の車の運転手が凶変し、必要以上に接近してきたそうだ。 「エンジン音も、『そんな空ふかしがなぜ必要なの?』という異常さでした。クラクションを鳴らし、反対車線に車の半分を出しながら、パッシングしてきたんです。私に対して怒りをぶつけ続けてきました。“あおり運転だ!”と思い、私は怖くなって、バス停のある少し道幅が広くなっているところに避難しました。後ろの車を先に行かせようと思い、車を停車させました。しかし、後ろの車も私のあとに続いて、停車してくるじゃないですか。『このままだと何かされる』と思いましたよ」  恐怖を感じたのだが、だからといってどうしたらよいのかわからないまま、ジッと固まることしかできなかったという。

ジャッキを手にした運転手に“万事休す!”

ジャッキ 富川さんが予想していた通り、車のドアを開きあおり運転の運転手が降りてきた。恐る恐るサイドミラーで確認してみると……。 「私のほうに向かってくるという予想に反して、車のトランクのほうへ歩き出し中を覗いています。言葉だけでは足りず、武器を持って攻撃されるのではないかと、生きた心地がしませんでした」  しばらくすると、なんと“ジャッキ”を手にしていたそうだ。 「攻撃する武器はジャッキか」「万事休す!」と、覚悟を決めた富川さん。しかし……。 「手にしたジャッキを自分の車の運転席側後方にセットしていたんです。よく見ると、後ろのタイヤがパンクしていることがわかりました。先ほどのブレーキが原因なのかは把握できませんでしたが、とにかく走行不能になったことだけは確かでした」  富川さんは、サイドミラー越しに見える出来事に対して、「よかった」と呟きながら何もなかったように道路へと戻った。 「すこし不謹慎ではありますが、パンクした運転手に対して『怖がらせた罰だ!』と、小さな声で言ってやりました」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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