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「怖い、どうしよう…」“あおり運転”してきた白いスポーツカー。危機一髪で警察に捕まるまで

「お父さん、後ろから車が来るよ」緊急事態に備えて…

パトカー 河北紗耶香さん(仮名・30代)は、別荘で休日を過ごし自宅に帰る途中であおり運転に遭遇した。 「その日は父が運転していました。父は3車線の場合、中央を走るのが好きだったんです。他に車は走ってなかったので、時速100キロに固定して走っていました」  河北さんたち家族は、車の中でのんびりと過ごしながら音楽を聴いたり、景色を眺めたり、自分たちの時間を楽しんでいたという。河北さんは助手席に座り犬を抱いていた。 「ワンコと遊んだり、あやしたりしていると、左車線をものすごいスピードで走る白のスポーツカーが近づいてきました。私は『お父さん、後ろから車が来るよ』と言いました。何となくイヤな予感がしたんです」  河北さんの予感は的中する。スポーツカーは河北さんたちの車に追いつくと、中央車線に移動し後ろについたという。 「怖い、どうしよう……」  手に汗を握っていると、犬にもその緊張が伝わったようで震えていたそうだ。 「父も緊張した面持ちでハンドルをしっかりと握り、固定していたスピードを解除。緊急の事態に備えていました」

スポーツカーを横目に心の中で「ざまぁ見ろ」

 しばらくすると、スポーツカーは急にスピードを上げ右横に並んだ。今度は強引に前方に入ろうとしたのだ。 「あぶない!」  父がパッシングをしてブレーキをかけたそのとき……。 「後ろからパトカーのサイレンが鳴り、『前の車、右に止まりなさい』と聞こえました。スポーツカーは一瞬、スピードを上げて逃げようとしていたように見えました」  しかし、パトカーの指示に従い、トンネル前の分離帯にある駐車スペースに車を止めた。 「捕まったスポーツカーを横目で見て、『ざまぁ見ろ』と心の中で呟いちゃいました。パトカーの警察官にお辞儀をすると、軽く手を挙げて応えてくれたんです」  ほとんど車も走っていない状況で、「ちょうどよいカモにされたのでしょう」と河北さん。 「でも、よかった。“日ごろの行い”かな、“運がよかった”のかな。どちらにしても命拾いしました」 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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