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同僚3人で「パワハラ上司を告発」するも、予想外の裏切り…「私以外の2人は栄転していきました」

 人生のつらい時にこそ、本当の味方が誰かわかるという。つらい局面で親や友人、同僚などに救われたという話はよく耳にするのではないだろうか。今回はあえてその逆、つらい時に裏切られた体験を紹介してみたい。  この話を語ってくれたのは、木崎和仁さん(仮名・38歳)。以前勤めていた不動産会社での話だという。
落ち込む女性会社員

画像はイメージです

仲の良い同僚と一緒に退社を決意

「20代のころに、数字こそが全てというゴリゴリ系の会社に勤めていました。その時にパワハラで有名だった課長の下についたことがあったんです。その課長は取れない人間を徹底的に追い詰めるマネジメントをしていて、詰めるのは当たり前、結果が出ていないと参加必須の飲み会で自腹な上に割り増しで支払わされたり、朝会でハゲヅラを被らされた上で非難されている人もいたくらいで……」  恐怖政治に耐えられなくなった社員がどんどん辞めていくような環境で、木崎さんも退職を考えるようになった。 「仲の良い2年上の先輩と同期と3人で飲みに行っては、よく課長に対する愚痴をこぼしていたんですが、3人ともしんどくなって、みんなで辞めようという話になりました。その流れで可愛がっていた後輩や、仲の良い同期がメンタルを壊して辞めていったことを話していると、先輩が『どうせ辞めるなら、最後に戦おう』と言い出したんです。驚きましたが、相当に鬱憤を溜め込んでいたこともあって、やってみようという話になりました」

パワハラの証拠を集めて役員に提出するも…

 それから定期的に会っては、どうやって戦うか作戦を練った。そこで目をつけたのが、総務担当の役員だった。 「総務が社内報のメールでたびたびパワハラ防止を訴えていたので、その担当役員に改善を要求しようという話になったんです。それから課長のパワハラ発言を録音したり、辞めていった元同期の証言を集めて報告したんです。しばらくして、役員から『よく報告してくれた』との言葉と調査を約束する内容のメールが返ってきました」  期待しながら結果を待つことにした木崎さんたちだったが……。 「いくら待っても結果についての連絡がありませんでした。役員からは『今後は人事部の社員を担当につけるので連絡はそちらにしてほしい』と言われていました。それで、担当に連絡を入れていたのですが、何度問い合わせても『調査中』と言われるだけでした」
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なぜか先輩と同期の動きが鈍くなる
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込み入った話や怖い体験談を収集しているサラリーマンライター。趣味はドキュメンタリー番組を観ることと仏像フィギュア集め
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