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「あいつは挨拶ができないからダメ」“信頼できる上司”の本性にドン引き…退職を決意するまで

知りたくなかった上司の“本性”が明らかに

本間さんが独自に調査を開始すると、意外な事実が判明したそう。 「ある日、職場の同僚たちと飲みに行く機会があり、それとなく下岡さんの話を聞きました。すると、ベテラン先輩社員が『あの人は東北弁でニコニコしているけど、誰よりも腹黒いし、シビアに人を見ているよ。東北弁に騙されてはダメ』と言うんです。また、別の先輩も『下岡さんは人の話を聞いているようで聞いてない』『部下の手柄を自分の手柄のように見せている』『部下に優しいのは自分の味方を作ろうといるだけ』と悪評のオンパレードでした。私は下岡さんと仲良くしていたので、同僚たちは悪評を伝えなかったそうなんです」 意外な事実はまだまだ続いた。 「後輩は『本間さんのこと、下岡さんは嫌っていますよ』と言われて。私がいないところで『あいつはすぐ質問してきて、仕事ができない』『技術力がない』『挨拶ができない』などと酷評していたらしいんです。人の悪口を言う人間にも、見えなかったのですが、裏でそんなことを言っているなんて信じられなかった」

いたたまれなくなり、退職を決意。そこでも…

「下岡さんが自分をどう評価しているのか気になり、いろいろな人に質問しました。すると皆、『あいつは挨拶ができないからダメ』と言っているらしいんです。また、『人間性が良くない』『協調性がない』と。また、『出世は絶対にない』と断言しているそう。なにが、『評価している』だよと。信用していたのに、裏切られた気分でした。たしかに私は出社しても黙っているし、挨拶はしないけれど、それでも人より努力をして、仕事もできるという自負があります。挨拶ができないというレッテルを貼られて、それだけで低評価にするなんて、最悪だと思いました」 真実を知った本間さん。その後、どうなったのだろうか。 「信用が崩れたことで、『一緒に働きたくない』という不信感と『このままでは出世できない』という気持ちが拭い去れなくなり、退職しました。退職届を出す際、『急にどうしたんだ』『評価しているから残ってみてはどうか』と言われましたが、『どうせ、口だけで、本心は違うんだろ』と。狭い業界なので口には出しませんでしたけども、もう全てが気に入らなくなってしまい、残る気はありませんでした。今は別の会社で働いています」 さまざまなタイプの思惑がうごめている職場。つきあう人間には、注意したいものだ。 <TEXT/佐藤俊治>
複数媒体で執筆中のサラリーマンライター。ファミレスでも美味しい鰻を出すライターを目指している。得意分野は社会、スポーツ、将棋など
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