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免許返納をごねる80歳の父。家族が車を売り払うも、なぜか車庫に“全く同じ車”が停めてあり…

「売ったはずの車」が車庫に…

「父は納得がいってない様子でしたが、近所に住む兄弟たちが当番で買い出しに付き合うことになり、なんとかこれで丸く収まったねと家族で話していました。しかし、しばらくすると父は『買い物はネットスーパーで頼むからもう大丈夫だ』と主張してきたんです。パソコンに詳しくないはずなので、怪しいなとは思っていたのですが……」 数ヶ月後、須藤さんが実家に様子を見に行くと、あろうことか「売ったはずの車」が車庫に止めてあったのだ。 「あれ、なぜまたここに? と思って近寄って見てみると、車内の椅子にビニールカバーがかかっていて、それが新車であることがわかりました。なんと父は車種も色もさらにはナンバープレートまで同じ車を新たに購入していたんです」 須藤さんは父の斬新な発想に唖然としつつも、一本取られた感覚になったという。 「後で父を問い詰めてみると『売れっていったから売ったじゃないか。また買っただけ』と父は平然と語りました。車は一括で購入したようです。執念を感じましたね」 その後も少しだけ乗車しつつ、須藤さんの父はなんとか“無事故・無違反”で一生を終えたそうだ。 周囲の家族の心配を他所に、自分はまだ健康であると当の本人は自負しがちなものである。車社会の地域に住む高齢者はなおさら折り合いのつけ方が問われるだろう。 <TEXT/ おせりさん>
下北沢に住む32歳。趣味はポーカーとサウナ、ホラー映画鑑賞。広告代理店・制作会社を経てフリーランスのブロガー兼ライターに。婚活ブログ『アラサー女の婚活談義』と生きることをテーマにした『IKIRU.』を運営中。体験談の執筆を得意としている。X(旧Twitter):@IKIRUwithfun
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