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「延滞金10万円」を支払い拒否し、土下座で許しを請う中年男性…レンタルビデオ店のレジ前が地獄絵図に

甲田さん(仮名・30代男性)

甲田さん(仮名・30代男性)

販売用なのに「レンタルさせろ」と騒ぐ客

――宇治さんは「返金しろ」以外で、カスハラを受けた経験はありますか? 宇治:販売用で陳列していたVHSを持って来て「これをレンタルさせろ」という方がいましたね。 ――レンタルでは出していない作品だったんですか? 宇治:人気の最新作だったのでレンタルは全部貸し出し中だったんです。販売用はレンタルできないことを伝えると「全部貸し出し中になっているのは、店の在庫管理や売上予測のミスだろ! そのしわ寄せを客にかぶれというのか! 客商売というのはな……」と、商売に関する持論を大きな声で怒りながらずーっと話されました。 ――たしかに、最新作は貸し出し中ばかりだった思い出があります。 宇治:その日は長い説教で終わったんですが、それから新作が出るたびに「取り置きしておけ」って、仕事にならないレベルで1日に何度も電話して来るようになっちゃって大変でしたね。

「延滞金10万円」を土下座で切り抜けようと…

――別のタイプのカスハラも、経験があれば教えてください。 宇治:延滞金に関わるものがありますね。延滞金が10万円を超えて返しに来た中年の男性がいて「絶対に支払わない!」と言い張るんです。 ――自分が延滞しているのに? 宇治:その人に言わせると「返却期限の前に、もうすぐ返却日であることを店が連絡してくるべき! それを怠っているのは職務怠慢だ!」って。「カラオケ屋でも、時間前に『もうすぐ時間です』って連絡来るだろ」と引き下がってくれませんでした。 ――自分の中には確固たる理屈があるんですね。 宇治:返却前の連絡はしませんが、延滞から1週間すぎるとハガキが送られるようになっているのでそのことを伝えたんですが「そんなの見るわけないだろ!」という、今度は理屈もクソもない話になるんですよ。 ――そういった場合、最終的にはどうするんですか? 宇治:店長に警察を呼んでもいいと言われていたので、110番をしようとしたら急に「謝るから許してくれ!」って、レジ前で土下座しはじめました。土下座でなくて支払いをしてもらうようにお願いするんですが、「延滞金が免除されるまで動かない!」と言って、そのまま動かないんです。肩に手をかけて起こそうとしてもガチガチで全く動きません。しょうがないので、やっぱり警察を呼んで対応してもらいました。
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「アダルト専門館」の利用者は実に従順
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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