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テレビはより“オワコン化”が進む?『M-1グランプリ2024』令和ロマンが“2連覇”した場合の未来予想図

「売れるためのステップアップ」だったはずが…

そもそも、これまでの『M-1』は、売れるためのステップアップという側面があった。実際、優勝したサンドウィッチマンをはじめ、錦鯉やウエストランド、マヂカルラブリーはテレビ出演が激増して現在も活躍。オードリーは優勝できなかったものの、『M-1』をキッカケに大ブレイクした。下世話に言えば、売れなかったコンビが一夜にしてスターになれる魔法の大会、それが『M-1』だった。ただ、考えてみれば今年で20組目の王者が誕生するわけで、希少性も薄くなっているのが現状だ。受け皿がテレビだけで飽和状態の印象を受けても仕方がない。 「M-1優勝=テレビスター」という図式が徐々に崩れている雰囲気もあり、令和ロマンは王者として、はじめてそこに異議を唱えているように思える。というのも、現在はテレビで活躍するのは40~50代の中堅芸人で、明石家さんまやダウンタウン・浜田雅功、ウッチャンナンチャンといったそれ以上のベテラン芸人も元気だ。M-1王者で冠番組を多数持っているのはサンドウィッチマンくらいで、ここ10年では霜降り明星だけ。錦鯉、マヂカルラブリーはブレイクしているとはいえゲスト出演が多く、ウエストランドは井口浩之のみ見かけることが多い。

令和ロマンは『M-1』2連覇で歴史を変えるコンビに

そもそも、テレビであまり見かけなくなった王者コンビもいる。優勝しても冠番組が何個も持てるわけでなく、それどころか上の世代が強すぎで勝てない。そんな状況なのが、いまのお笑い界でありテレビ業界だ。そんな空気を察知したのか、2019年王者のミルクボーイは、近年では関西を主戦場として舞台も大切にしながら活動。NON STYLEも、石田明は舞台や配信に力を入れ、NSCで講師を務めるなど後輩の育成を行っている。また、『新しいカギ』(フジテレビ系)というヒット番組を持つ霜降り明星も、YouTubeに力を入れテレビだけではない活動を積極的に行っている。 そもそも髙比良くるまは、M-1優勝後にNON STYLE・石田のYouTubeチャンネルに出演し、「テレビに出ない」発言を展開。発言を要約すると、テレビは自分たちより上の世代のメディアで、活躍するというヴィジョンが見えないというものだった。 こう主張する令和ロマンが2連覇すれば、よりテレビをメインとしない活動が加速するのは明白。2連覇という偉業を達成したら漫才ツアーも可能だ。配信や舞台を見たい人も増える。より、テレビ出演をしなくても良い環境ができるだろう。そうなると、2連覇した令和ロマンはM-1王者なのにテレビに出ないで稼ぐという、新たな道筋を作る可能性がある。 新たな例ができれば、漫才を突き詰めようとする芸人が多くなり、テレビに頼らない活動をするコンビが増える。つまり、令和ロマンが2連覇をすれば、より若手がテレビに出なくても良い風潮が蔓延すると考える。すでに、M-1で優勝しテレビで活躍する構図は崩れつつあるが、令和ロマンが2連覇することで完全にその構図を崩壊させることだろう。 令和ロマンが2連覇するとなれば、歴史を変えるコンビになるのだ。
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某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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