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テレビはより“オワコン化”が進む?『M-1グランプリ2024』令和ロマンが“2連覇”した場合の未来予想図

2001年からスタートした『M-1グランプリ』(以下、M-1)は、今回で20回目の開催となる。公式本『M-1グランプリ大全2001-2024』も発売されるなど、早くもお祭りムードが漂うなか、最も注目されるのが令和ロマンだ。史上初の2連覇を狙っている彼らが、仮に優勝したら今後のバラエティ界は一体どうなっていくのだろうか? この記事では、“令和ロマン2連覇後の世界線”を推測していく。
令和ロマン

『M-1グランプリ2023』で優勝した令和ロマン。高比良くるま(写真左)、松井ケムリ(写真右) ©産経新聞

かつてはNON STYLEも

これまで2連覇に挑戦したのは令和ロマンだけではない。2008年に優勝したNON STYLEが、翌年にも出場して史上初の2連覇を目指した。結果としてはパンクブーブーが満票を獲得して優勝するのだが、NON STYLEはファイナルステージに進出して、あと一歩のところまで迫った。 実力者として知られるNON STYLEでも辿り着けなかったわけで、令和ロマンが挑戦する頂きは、かなり険しい道のりである。そもそも、さまざまな芸人たちが明かしているが、『M-1』で優勝するには多くのことを犠牲にして大会に集中する必要がある。それだけに、これまで2連覇を目指すコンビは少なかったし、よほどの覚悟と実力がなければ達成できない。 そんな試練の道を令和ロマンは突き進んでいるわけだが、これまでの予選のネタを見る限りではかなり2連覇に近いところにいる印象だ。令和ロマンの髙比良くるまは、漫才を論じている書籍『漫才過剰考察』を11月8日に発売したばかり。著書を読めばどれだけ『M-1』を研究しているかがわかる。その知識を総動員して挑む今回の大会は、改めて要注目である。

やっていることはアスリートと同じ

もし、令和ロマンが2連覇したらどんなことが起きるのか? テレビと芸人の関係性が劇的に変わる、地殻変動が起きると予想する。まず、『M-1』で優勝するには覚悟が必要だ。予選を勝ち抜くため、芸人は観客や審査員が見たことないネタを多数用意する。特に参加者が増えた近年の『M-1』はレベルがあがり、何度も舞台やテレビで披露したネタを使うわけにいかない。 つまり、誰もが認めるおもしろい新ネタを何本も用意する必要がある。それが理由なのか、令和ロマンは昨年の優勝後にテレビにはあまり出演しないで、舞台も大事にしながらネタの精度を高めていた。やっていることはアスリートと同じで、多くの時間を『M-1』に費やしている。令和ロマンは一度目の優勝で、テレビよりも翌年の漫才日本一を取ったことになる。 ただ、令和ロマンはそんな苦労をしながら、時間のとられるテレビ出演は最小限とし、配信、舞台でしっかり活躍している。
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「売れるためのステップアップ」だったはずが…
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某テレビ局でバラエティー番組、情報番組などを制作。退社後、フリーランスの編集・ライターに転身し、ネットニュースなどでテレビや芸能人に関するコラムを執筆
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