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漢字ブームの背景は中国経済の拡大にあり!?

在日歴25年のベンジャミンが語る 漢字ブームの背景は中国経済の拡大にあり、それは欧米文明の危機
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 「古歩道」という名は、帰化するより前、1980年に来日したときから使うようになりました。日本語を習い始めると日本語名を決めるのはごく当たり前のことに思ったのです。音を漢字に当てていくのですが、ほかに選択肢がなかったんです。一方、ベンジャミンもいろいろ漢字を考えたのですが、「弁邪民」では「邪悪なことをしゃべる人」になってしまうし(笑)、「蛇」も合わないので、こちらはカタカナで帰化しました。  漢字ブームの背景にあるのは、ひとつには、日本語のアニメや漫画で育った世代が、漢字を含め日本文化に興味を持ったこと。あとひとつは、中国の景気がよく、中国政府が世界で語学や儒教文化を教える中国センターをつくっていることでしょう。  かつて、欧米諸国は効率の悪い漢字は文明発展の足かせになると見下していた。でも戦後、アジアはほかの国から学んで発展し、今や世界の金融資本の7割が集まるまでになった。未来を決めるのはカネの流れです。欧米のエリートは今、危機感をもって、子供に中国語を学ばせている。漢字ブームは、優越感とともに自分たちだけでまとまっていた欧米文明の危機ともいえる。  漢字は、アルファベットより文字数が多いから、覚えるまでは大変ですが、使ってみるとむしろ効率がいい。Populationと人口は同じ意味ですが、漢字のほうが少ない文字数で早く意味を める。好きな漢字は元気の「気」。基礎的な生命エネルギーをあらわす言葉ですが、これは英語にない概念で、とても印象深かった。「侘」「寂」同様、この漢字には、深い哲学を感じます。 【古歩道(フルフォード)・ベンジャミン小誌連載「ニュースコンビニエンス」でもお馴染みのタブーなきジャーナリスト。近著に『日本を辱めた「闇の支配者」が終焉を迎える日』など 取材・文/昌谷大介 斉藤真紀子 田山奈津子 中尾巴 江口裕人・鈴木靖子(本誌) 取材協力/Emi Ueyama HIRO Nakano ― 海外[漢字ブーム]の凄いバカっぷり【8】 ―
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