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東大卒の28歳女性が、新卒で入った会社をやめて選んだ“意外な道”「同じ学歴の子と比べたら稼げていないけど…」

日本で最難関とされる東京大学。卒業後は官僚や研究者、大手企業への就職といったエリートコースを歩む人も多く、「東大卒」という肩書きがあれば、社会から一目置かれる存在となる。 そんななか、周囲の選ぶ進路にとらわれず、SNSでの発信やイベントの主催を通じて「ゴシック・ロリータファッションの普及活動」に情熱を注ぐ東大卒の女性がモネさん(28)です。
モネさん(28歳)

モネさん

新卒で入った会社を退社してゴシック・ロリータに

ーー東大からゴシック・ロリータの道を選んだ経緯を教えてください。 モネさん:東大病院で生まれたことや母の実家が近いこともあり、幼い頃から東大を身近に感じていました。元々勉強が得意だったことも、進学した理由の一つです。 東大では生物学を専攻し大学院にも進みましたが、博士課程で中退することになり…焦って就職活動をスタートし、大学の専攻とまったく異なるIT系の会社に入社しました。 しかし、会社の環境があまりよくなくて、心療内科で適応障害の診断を受け、1年足らずで退職することになりました。 次の就職先を考えるタイミングで、学生時代にバイトしていたゴシック・ロリータ服のお店に相談したところ、快く迎えてくださって…今はアパレル店員として働きながら、ゴスロリの魅力を伝える活動をしています。 ーーもともとゴシック・ロリータファッションには興味があったのでしょうか? モネさん:小学生の頃に音楽ユニット「ALI PROJECT」から影響を受けたのがきっかけです。ファッション雑誌『ゴシック&ロリータバイブル』を読みながら青春を過ごしました。 高校に入ってからはバイトを始め、中古のゴスロリ服を買えるようになりました。同時に海外留学にも興味を持っていた頃で、夏休みに無料でアメリカ留学に行けるチャンスがありました。 書類審査でゴスロリについて語ったら合格し、アメリカ留学にはゴスロリファッションで通学しましたね。2013〜2015年当時は「原宿カワイイ文化」の最盛期で、流行が書類選考の通過を後押ししてくれた気もします。

すっぴんを公開する理由

モネさんのすっぴん写真

すっぴんの時のモネさん

ーーゴシック・ロリータとしての活動で、どれほど稼いでいますか? モネさん:アパレル店員としての収入では、周りの同じ学歴の子たちよりは稼げていません。YouTubeやTikTokで動画制作を始めていますが、現在は種まきの段階ですかね。 商業施設での催事やイベントの開催など、直感でやろうと思ったことをやるフェーズだと思っています。 ーーTikTokではすっぴんを公開されていらっしゃいますね。失礼かもしれませんが、ゴスロリのプライベートはベールに包まれたものだと思っていました。 モネさん:私は「生活感のあるゴスロリ」を目指していて、ゴスロリファッションで居酒屋に行きビールを飲むこともありますよ。ちなみに、フォロワーからの反応はすごくいいです(笑) ゴスロリ人口を増やしたいという思いでSNS活動をしていることもあり、初心者でも入り込みやすい雰囲気を心がけています。 等身大の自分を表現しているおかげか、最近ゴスロリを始めた子が私の動画を参考にしたと言ってくれて、とても嬉しかったですね。 よく「服をどこに着て行けばいいか分からない」「美人じゃないけど大丈夫?」と聞かれますが、ゴスロリはどこに誰が着て行ってもOKです。特別な衣装というよりは、すごく思い入れのある私服という位置づけですね。
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ゴスロリ服への周囲からの反応
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韓国のじめっとしたアングラ情報を嗅ぎ回ることに生きがいを感じるライター。新卒入社した会社を4年で辞め、コロナ禍で唯一国境が開かれていた韓国へ留学し、韓国の魅力に気づく。珍スポットやオタク文化、韓国のリアルを探るのが趣味。ギャルやゴスロリなどのサブカルチャーにも関心があり、日本文化の逆輸入現象は見逃せないテーマのひとつ。X:@bleu_perfume

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