和食店の店主は「もう予約を取るのが怖い」バスには乗れず、神社仏閣はゴミだらけ…外国人観光客に圧迫される京都市民の叫び
京都府の観光公害が問題視されるなか、ついに’24年、同府を訪れる外国人観光客数が日本人を上回った。政府がインバウンド6000万人を掲げる一方で、オーバーツーリズムに圧迫される住民のフラストレーションは頂点に達している。現場の声を聞いた。
かつて“千年の都”とたたえられた京都は、今や「外せない巡礼地」として世界中の観光客に占拠されつつある。とりわけ深刻なのが、生活インフラの機能不全。
市民が真っ先に口をそろえるのは、「バスと電車が使えない」という切実な訴えだ。
京都駅から清水寺・祇園方面へ向かう206系統や、四条河原町に向かう205系統のバスは、インバウンドの行列と大型スーツケースで占拠され、地元民が通勤通学で利用することはほぼ不可能になった。
京都市は対策として昨年より観光特急バスを導入したものの、週末限定の運行で平日の混雑緩和には至らず、渋滞とストレスは悪化の一途をたどっている。
「まずバスに乗れない。乗れたとしても身動きがとれず、毎回『降ります!』って叫ぶのがしんどい」と話す50代の女性は、外出そのものを控えるようになったという。
「墓参りに行くのに乗れないから、何台か見送った」(40代男性)という声も。
電車でも改札での混乱や遅延が常態化し、「大事な予定に間に合わない」というサラリーマンたちの声も少なくない。
さらには、「私が予約した特急列車の席に観光客グループの一人が勝手に座っていた上に、正規の乗車券すら持っていなかった」(50代男性)という例も……。
また車道は外国人観光客がレンタサイクルを道幅いっぱいに広がって走らせるため、「追い越しもできずストレスが溜まる」「車での移動時間が読めなくなった」とすべての通勤者・通学者の移動すら妨げられている状況だ。
「もう外に出られへん」バスには乗れずゴミだらけ

外国人らが四条大橋に密集
バスも電車も車も全部ダメ

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