更新日:2025年08月07日 10:57
スポーツ

セ・パ交流戦で7~12位を独占したセ・リーグ。広島カープの市民性は“変わらなさ”の象徴か、革新の息吹か

セ・リーグ=セカンドリーグという構図が浮き彫りになった2025年

プロ野球オールスター2025。セ・パ交流戦では上位6位までをパ・リーグが独占(写真:産経新聞社)

プロ野球はオールスター・ブレイクが明け、夏のペナントレースがいよいよ佳境に入ってきた。今年7月のオールスターゲームは1戦目、2戦目ともにパ・リーグが快勝、6月に行われたセ・パ交流戦では上位1〜6位をパ・リーグが、下位7〜12位をセ・リーグがそれぞれ占める結果となった。 ネットユーザーのあいだでは以前から、長年セ・リーグのチームがパ・リーグに圧倒され続けていることを揶揄して「セ・リーグはセントラル・リーグではなく、セカンドリーグ(2部リーグ)の略ではないか」と言われてきた。ただし、それは単なる悪口ではなく、多くのプロ野球ファンが「セ・リーグの保守性(変わらなさ)」を問題視している表れでもある。 これまでもっぱらセ・リーグの「変わらなさ」の1つに挙げられてきたのが打者制だ。パ・リーグは1975年から指名打者制を導入した一方、セ・リーグは2025年の今も頑なに導入していない。セ・リーグのように9番に投手が入ると、投手は打撃技術を専門的に磨いてきていない選手が多いため、9人の打順の中に「穴」が生まれてしまう。パ・リーグはその「穴」がなく、反対に打撃を得意とする指名打者が入るため、投打のレベルが上がりやすいとされる。 海の向こうメジャーリーグでは、これまで指名打者制を採用してこなかったナ・リーグが’22年から正式導入(このおかげで大谷翔平も、ナ・リーグ所属のドジャース移籍後に指名打者での出場を継続できている)、日本国内でもやはり採用を拒んできたアマチュアの東京六大学野球が’26年からの採用を今春、決定した。 国内外のハイレベルの野球シーンではほとんど唯一、セ・リーグだけが導入を決定していない。この変わらなさが、セ・リーグの「弱体化」を招いているのではないか、というわけだ。
次のページ
セ・リーグの保守性を支える「放映権の一括化」問題
1
2
3
編集者・ライター。1986年、神奈川県生まれ。一橋大学社会学部社会学科卒、同大学院社会学研究科修士課程中退。批評誌「PLANETS」編集部、株式会社LIG広報を経て独立。2025年3月に初の著書となる『文化系のための野球入門 「野球部はクソ」を解剖する』(光文社新書)を刊行。現在は「Tarzan」などで身体・文化に関する取材を行いつつ、企業PRにも携わる。クラブチームExodus Baseball Club代表。
記事一覧へ