東証上場のオリオンビール、沖縄県内シェア80%の“カラクリ”と「ジャングリア沖縄」の土地所有で見えてくる成長戦略
オリオンビールが9月25日に東証プライム市場に上場することが決定しました。国内のビール市場はアサヒ、キリン、サッポロ、サントリーの寡占化が進んでおり、オリオンビールのシェアは4社に次ぐ5番目で、1%ほど。しかし、沖縄県内でのシェアは80%を超えています。この高シェアには、あるカラクリが隠されています。
オリオンビールは2019年に野村ホールディングスと、アメリカの投資ファンド、カーライル・グループに570億円で買収されていました。野村ホールディングスは2018年に事業再編や事業再生などを扱う新会社、野村キャピタル・パートナーズを設立しており、オリオンビールはその第1号案件。
買収当時は「5年後の上場を目指す」としており、コロナ禍という特殊な期間を経ながらも投資から6年ほどで上場に漕ぎつけました。
オリオンビールの2025年3月期の売上高は前期比11.0%増の288億円。今期は4.3%増の301億円を予想しており、堅調に成長しています。
沖縄県でビールの高シェアを獲得している主要因が、2002年のアサヒビールとの包括的業務提携。2003年からオリオンビールは「スーパードライ」などアサヒ製品の沖縄県でのライセンス販売を行いました。沖縄県内でオリオンビールが8割ものシェアを握っている理由はここにあります。
アサヒとの提携当時、日本では発泡酒が人気化しており、それに次ぐ「第3のビール」が登場する直前でした。2004年に「ドラフトワン」や「のどごし<生>」、「アサヒ新生」、「麦風」などの商品が生まれています。酒税が安いためにビールから発泡酒、第3のビールへと人気が移っており、ビール業界は大きなうねりの中にありました。
しかし、沖縄県は酒税の軽減策が導入されていたため、ビールは本土に比べて20%減免されていました。オリオンビールは業界の変化から取り残され、発泡酒や第3のビールの開発において遅れをとったため、本土でのシェア獲得に難航していました。アサヒと提携した背景には、こうした時代の流れが大きく関係しています。なお、提携によってオリオンビールの沖縄県外の販売はアサヒが行っています。

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買収から6年で上場。堅調に成長中
「酒税の軽減策」で自らの首を絞める結果に
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フリーライター。大企業から中小企業まで幅広く経営支援を行った経験を活かし、経済や金融に関連する記事を執筆中。得意領域は外食、ホテル、映画・ゲームなどエンターテインメント業界
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